クレアチン クレアチンの概要

クレアチン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/15 22:28 UTC 版)

クレアチン
識別情報
CAS登録番号 57-00-1
ChemSpider 566
EC番号 200-306-6
KEGG C00300
特性
化学式 C4H9N3O2
モル質量 131.13 g/mol
融点

303 ℃ (分解)

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

クレアチンは生体内において4-ホスホクレアチン(クレアチンリン酸)に変換され、エネルギー源として貯蔵される(後述)。そのため、瞬発力を必要とするスポーツなどに有効といわれており、クレアチンパウダーが多数のメーカーからサプリメントとして販売されている。

クレアチンの代謝産物がクレアチニンで、機能の評価(クレアチニンクリアランス)に利用される物質として代表的である。

生合成

アルギニングリシンから、グリシンアミジノトランスフェラーゼ(EC 2.1.4.1)、グアニジノ酢酸-N-メチルトランスフェラーゼ (EC 2.1.1.2) 、クレアチンキナーゼ (EC 2.7.3.2)の作用により、クレアチンリン酸として合成される。この反応は腎臓肝臓にて行われる。

腎臓における生合成過程(グリシンアミジノトランスフェラーゼによるアミジン基の転移)
L-アルギニン + グリシングアニジノ酢酸 + L-オルニチン
肝臓における生合成過程(グアニジノ酢酸-N-メチルトランスフェラーゼによるメチル化
グアニジノ酢酸 + S-アデノシルメチオニンクレアチン + S-アデノシル-L-ホモシステイン

クレアチンはさらにクレアチンキナーゼの作用により、ATP1分子を消費してクレアチンリン酸に変換される。この反応は筋肉組織にてATP濃度が高い休息時などに行われる。

クレアチン + ATPクレアチンリン酸 + ADP

クレアチンリン酸は筋肉のように瞬時に多量にエネルギーを消費する器官において、高エネルギーリン酸結合の貯蔵物質として働く。急激な運動により筋肉組織にてATPが不足した場合、

クレアチンリン酸 + ADP → クレアチン + ATP

という反応によりATPの欠乏を防ぐ。ここで生じたクレアチンはクレアチンキナーゼにより再びリン酸化され、クレアチンリン酸として再利用されるか、非可逆的な非酵素的脱水を経てクレアチニンになる。クレアチニンは最終的には腎臓にて尿中に排泄される。

なお、アルギニンからクレアチニンに至る経路をクレアチン経路という。

外部からの摂取

カルニチン同様、肉と魚に多く含まれ、植物にはほとんど含まれない。




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