カビ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/26 08:52 UTC 版)
生育環境
上記のように人間の生活空間にも様々なところでカビは出現する。放っておけば食品はかびる。その主な原因はアオカビ・コウジカビ・ケカビ・クモノスカビといったものである。ヨーロッパではアカパンカビもここに顔を出す。これらは、人為的な環境に素早く出現する、いわば雑草のようなカビである。壁のしみは往々にしてクラドスポリウムである。
人間の生活との関わりでは作物に寄生する植物病原菌の影響は大きい。ヒトに寄生するカビは多くなくほとんどは偶発的なものであるが、白癬菌のようにヒトに病気を起こすものもある。
しかし実際には自然界の方がはるかに多くのカビが存在する。地表や土壌では多くの不完全菌がキノコの菌糸と共に枯葉の分解を行っており、それはまた腐性食物連鎖の土台を構成する。また生きた植物に寄生して病気を起こすカビも数多い。野生の植物にも様々な寄生菌が生じる。
動物質の分解は主として細菌の仕事であり、菌類にこれに関与するものは少ない。まれに大型動物死体の周辺にトムライカビ類などが大量に出現するが、これは細菌類か線虫類に関係を持つものらしい。昆虫など小型動物には、ハエカビ・クサレケカビなど特に決まった種類のカビが関係を持って出現する例が多々ある。
淡水中では菌類ではないものの、卵菌類がミズカビと呼ばれ、動物質を含む腐りやすい有機物塊によく綿毛状のコロニーを作る。菌類ではカワリミズカビなどもあるが、ミズカビ類ほどは普通でない。水中の落葉落枝には水生不完全菌が繁殖するが、これも目にはつきにくい。
海中ではカビはあまり知られていない。材木などから若干の水生不完全菌様のカビが知られる。
- ^ カビ対策マニュアル 基礎編-文部科学省
- ^ ミニ講演 「食べ物のカビの世界」 - 神奈川県衛生研究所
- ^ “アスペルギルス感染症”. 北大病院感染対策マニュアル 第5版. 北海道大学病院. 2015年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月25日閲覧。
- ^ 稲瀬直彦「過敏性肺炎の最近の動向」『日本内科学会雑誌』第105巻第6号、日本内科学会、2016年、991-996頁、doi:10.2169/naika.105.991。
- ^ おいしい水を考える会『水道水とにおいのはなしp90』技報道出版
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