プロドラッグ
英語:prodrug
それ自体は薬理活性を全くあるいはほとんど持たないが、体内で代謝されることにより活性化し、薬効を発揮する薬剤。
プロドラッグが投与されると、体内で加水分解や酵素による変換などを経て別の物質に変化し、その物質が薬理活性を示す。従来薬理作用を持つといわれていた物質が、のちの研究でプロドラッグであることが判明した例もある。
創薬においては、薬剤のプロドラッグ化は重要な手法の一つである。例えば、プロドラッグ化により経口投与が可能になったり、苦味が軽減されたり、水溶性が増大したりした例がある。また、「ロキソニン」などの商品名で市販されているロキソプロフェンは、プロドラッグ化により胃や腸への負担が少なくなっている。
プロドラッグ化は、ドラッグデリバリーシステム(DDS)の構築においても重要な手法の一つである。例えば、薬剤にキャリアーとなる高分子を付加し、標的に到達した時点でキャリアーが外れて活性化するという仕組みが採られることがある(受動的標的指向型DDS)。抗体や糖鎖の修飾により、薬剤に標的認識機能が付与される例もある(能動的標的指向型DDS)。
プロドラッグ
(prodrug から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 14:36 UTC 版)
プロドラッグ(英: Prodrug)とは、投与されると生体による代謝作用を受けて活性代謝物へと変化し、薬効を示す医薬品である[1]。
- ^ 金子久美子、水島裕、「プロドラッグ」 炎症 1981年 1巻 2号 p.316, doi:10.2492/jsir1981.1.2_316
- ^ Kuei-Meng Wu; James G. Farrelly. “Regulatory perspectives of Type II prodrug development and time-dependent toxicity management: Nonclinical Pharm/Tox analysis and the role of comparative toxicology”. Toxicology 236 (1-2): 1-6. doi:10.1016/j.tox.2007.04.005.
- 1 プロドラッグとは
- 2 プロドラッグの概要
- 3 出典
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