縁取り空胞型遠位型ミオパチー
生検筋にゴモリトリクローム変法染色をすると、赤色の細かい顆粒状の集まりや、それが縁取った空胞がみえる。空胞をもつ筋線維の方が萎縮している。 | |
図37:縁取り空胞(rimmed vacuole) |
縁取り空胞がどのようにしてできるのか、そのメカニズムはよく分かっていません。局所的な筋原線維の変性があり、それをリソソームというのが食べて消化します(これを自己貪食といいます)。その場所が縁取り空胞として認められるのです。ではなぜ、局所的な筋原線維の崩壊があるのでしょうか。その原因としてアポトーシスが関与しているとの説が提唱されています。
症状は20−30歳台に現れることが大半です。下腿の前の方、すなわち前頸骨筋が最初に侵されますので、つま先がもちあがらず歩くときにちょっとした物に引っかかる。あるいはスリッパが脱げやすいなどの症状がみられます(図38)。すぐに下腿全体の筋肉が侵されるので、歩行が困難となります。平均10年くらいの経過で車椅子生活となります。心筋や呼吸筋は侵されにくいので生命的予後はよいとされています。
下腿の前面の前頸骨筋(→) が萎縮するのが特徴的である。 | |
図38:縁取り空胞型遠位型ミオパチー |
今のところ、治療法はなく、病気の進行を少しでも抑えるリハビリテーションが大切です。
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