TR-IA
名称:TR-IA
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
開発機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げ場所:日本・種子島宇宙センター
運用開始年:1991年
運用終了年:1998年
TR-IAは、宇宙実験を行なうための手段の整備や、宇宙での各種実験に必要となる技術の開発を目的として開発された、宇宙実験用小型ロケットです。
このロケットはH-IIロケット開発のために造られたTR-Iロケットを宇宙実験用に発展させたもので、1段式固体ロケットです。
TR-IAの特徴は、機体中央部に4枚装備した動翼により、飛行初期の姿勢のコントロールを行ないます。これによって、到達高度を高くすることができ、物の重さがきわめて小さくなる微小重力の環境を6分以上、確保することができるようになりました。
1段式
全長:14.3m
外径:1.1m
全備重量:11.9t
推力は62t
約750kgの実験装置をのせて微小重力環境を6分以上維持します。
2.打ち上げや飛行の順序は、どうなっているの?
固体ロケットモータを点火して、ロケットランチャから打ち上げられます。燃焼は約50秒間で終了します。発射後約63秒までは、動翼で機体姿勢を制御します。64秒後にペイロード部とモータ部を分離します。その後、ガスジェット装置により約15秒間の3軸レート制御を行ない、ペイロード部の姿勢を静定させます。ペイロード部は、放物線状の経路を飛行し、271秒後で最高260〜290kmの高さまで上がった後、降下を始めます。実験はペイロード部が大気の濃い高度に達する前の441秒後に終了し、ペイロード部は大仰角姿勢で大気中を降下します。空気の抵抗で降下する速度が落ちたペイロード部は、高度約5.5kmでパイロットシュートを開きます。以後10秒ごとにドローグシュート、メインシュートを開きます。そして、秒速約13m(時速約46.8km)まで降下速度を落とし、海面に降下します。
3.どんなものを打ち上げたの?
観察技術実験装置II型や、流体物理実験装置II型などの各種実験装置をペイロード部に搭載して、1998年までに、7回の飛行を行ないました。
Tria
TR-IAロケット
(TR-IA から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/04 23:20 UTC 版)
TR-IAロケット(ティーアールワンエイ)は宇宙開発事業団(NASDA、現宇宙航空研究開発機構JAXA)が開発・運用した単段式の固体燃料ロケット。愛称は「たけさき」。開発は1988年(昭和63年)から始まり、ロケット本体は1991年(平成3年)から1998年(平成10年)まで運用した。H-IIロケット開発のために作成されたTR-Iロケットをベースとしている。
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