TIPI-J
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 09:48 UTC 版)
「ビッグファイブ (心理学)」の記事における「TIPI-J」の解説
心理学者の小塩真司、阿部晋吾、ピノ・カトローニは日本語版の10項目パーソナリティインベントリ(TIPI-J)を作成し、その信頼性と妥当性を調査した。その結果、いくつかのビッグファイブ性格検査との内的整合性が検証され、例えば主要五因子性格検査との内的整合性の値(α)は、外向性で0.85、協調性で0.72、誠実性で0.80、神経症傾向で0.88、開放性で0.82であり、十分な値をだし、TIPI-Jは十分な信頼性と妥当性を示していることがわかった。 TIPI-Jの内容は次のようになっている。 回答の選択肢は次の1から7までの7つがある。 全く違うと思う おおよそ違うと思う 少し違うと思う どちらでもない 少しそう思う まあまあそう思う 強くそう思う 下の10個の文章に対して自分自身にどれくらい当てはまるかを、上記の回答の選択肢の番号を用いて回答していく。回答に用いた選択肢の番号は、10個の文章ごとにメモをしておく。 私は自分自身のことを…… 活発で、外向的だと思う 他人に不満をもち、もめごとを起こしやすいと思う しっかりしていて、自分に厳しいと思う 心配性で、うろたえやすいと思う 新しいことが好きで、変わった考えを持つと思う ひかえめで、おとなしいと思う 人に気をつかう、やさしい人間だと思う だらしなく、うっかりしていると思う 冷静で、気分が安定していると思う 発想力に欠けた平凡な人間だと思う 各項目に用いた選択肢の番号を用いて、得点化を行う。それぞれの特性に関しては得点化の方法は、以下のようになっている。 外向性=項目1+(8-項目6) 協調性=(8-項目2)+項目7 誠実性=項目3+(8-項目8) 神経症傾向=項目4+(8-項目9) 開放性=項目5+(8-項目10) 最低点は2点で最高点は14点であり、中間点は8点である。TIPI-Jの調査の際に愛知県、大阪府、兵庫県、長崎県の大学生902人を対象にした結果では、外向性で平均7.83±2.97、協調性で平均9.48±2.16、誠実性で平均6.14±2.41、神経症傾向で平均9.21±2.48、開放性で平均8.03±2.48である。 また、外向性と開放性は歪度がほぼ0で尖度が負であることから緩尖的分布を示して、誠実性と神経症傾向については尖度が0近くであるが、歪度の値が誠実性で正の歪み、神経症傾向で負の歪みをもつ分布を示した。協調性に関しては急尖的で正の歪みをもつ分布を示した。なお、歪度と尖度いずれも絶対値で1を超えることはなく、各下位尺度が2項目で構成されていることから、分布に大きな問題は生じているわけではない。
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