MT比
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/20 02:30 UTC 版)
MT比(MTひ)は、動力分散方式の鉄道車両において動力車(motor)と付随車(trailer)の構成比を示したものである。MT比は運転士が乗務時に携帯する運転時刻表の「牽引定数」欄に記載されることが多い。
- ^ 内燃機関の定格出力は電動機のそれに比して劣るものではない。しかし、鉄道車両に用いられるような比較的排気量の大きなエンジンでは、軸トルクが回転数にかかわらずほぼ一定で(トルク曲線がフラット。そのために液体変速機や多段変速機が必用となる。)、それに対し電動機は、速度が低いときにトルクがもっとも大きい右下がりのトルク曲線となり、速度の変化する重量物の運転に向いていること、また、電気車でしばしば行われる過負荷運転(特殊なものを除き150 %・1分間の過負荷耐量を持つ)ができない(オーバーヒート、焼付き、部品の破損などが起こる)ことなどから、実用上の出力特性は電動機に比して低い。
- ^ JR北海道の141系気動車や14系寝台車を組み込んだ183系気動車の夜行列車(2008年で運転を終了)など。
- ^ 後継の5550系や5700系では3M1T(相当)となっている
- ^ MT比の極端に低い編成は、経済性は高いが編成の分割併合や両数の増減といった車両の機動的な運用においては編成の走行性能に大きな変化が生じる、あるいは編成分割が数少ない編成中の動力車の数に制約されるなどの問題がある。
- ^ ただし東北新幹線で運用されたダブルデッカー車組み込みの16両のH編成は14M2T。
- ^ 12M4T
- ^ 2M1Tのユニット5つと博多・新大阪方先頭車の付随車1両の構成。16両で10M6T
- ^ 高速走行を行なう新幹線では、非接触式ブレーキである電気ブレーキの重要性が高く、MT比の低い編成では付随車にも電気ブレーキを設置する必要があった。
- ^ 直流整流子電動機を装備した直流電車に比べ、粘着性能や高速性能ではそれを上回る
- ^ 一般に日本の気動車では350ps以下のエンジンの場合、台車構造の繁雑化やそれに伴う重量過大などを避ける意味で1エンジン1軸駆動となっており、500〜660ps級の1エンジン車も300〜355ps級の2エンジン車もいずれも1両あたりの動軸数が2軸となる。したがって、同一MT比であっても気動車は電車に比べ動軸数が少なくなり、現在の軸重での徒な出力向上は、粘着性能の低下を招く。
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