ISO 9000シリーズを取り入れた産業別の独自規格
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ISO 9001は様々な産業に適用することを想定しているため、特定の産業に対しては不十分であると考えられることもある。そのような場合に、ISO 9001を土台にし、それに変更・追加を加えた規格を各産業で独自に制定する場合がある。自動車業界は、このようなISO 9001ないしISO 9000シリーズを土台にした業界独自の品質マネジメントシステムの規格・制定を早い時期から始めていた。1991年にはVDA(ドイツ自動車工業会)がVDA6.1を発表した。これは当時のDIN EN ISO 9004 を基準にしたチェックシートで、新しい要求事項を付け加えることを意図したものではないが、自動車部品メーカーの品質管理システムを監査するために作られているので、自動車業界の標準的な考え方が反映されている。1994年にはアメリカのクライスラー、フォード、ゼネラルモーターズが統一の品質マネジメントシステム規格、QS-9000を発表した。これはISO9000:1994の4章を発展させたもので、クライスラーのサプライヤー品質保証マニュアル、フォードのQ-101 品質システム規格、 ゼネラルモーターズのターゲット・フォー・エクセレンス(優秀たることへの目標)の内容も網羅している。その後、欧米の主要な自動車生産国の自動車工業会と各メーカーがIATF(国際自動車タスクフォース)を結成し、統一の品質管理システムの仕様である ISO/TS 16949 を作成した。 他の産業でも以下のような、ISO 9000 (特に ISO 9001 ) を発展させた独自の規格が制定されている。 TickIT: 情報技術、ソフトウェアに関する品質管理システムのガイドライン。 AS/EN/JIS Q 9100: 航空宇宙産業の品質管理システム規格 TL 9000: 電話・通信産業の品質管理システム規格 ISO 13485: 医療機器製造に関する品質管理システム規格 ISO/IEC 90003: ソフトウエア業界の品質管理システム規格 ISO/TS 29001: 石油化学業界の品質管理システム規格
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