ATS・D7とは? わかりやすく解説

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ATS・D7

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/03 17:42 UTC 版)

ATS・D7
カテゴリー F1
コンストラクター ATS
デザイナー グスタフ・ブルナー
先代 ATS・D6
主要諸元[1]
シャシー カーボンファイバーモノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン, プルロッド, コイルスプリング
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン, プルロッド, コイルスプリング
エンジン BMW M12/13, 1,499 cc (91.5 cu in), 直列4気筒, ターボ, ミッドエンジン, 縦置き
トランスミッション チームATS / ヒューランド 5速 MT
タイヤ ピレリ
主要成績
チーム チームATS
ドライバー 14. マンフレッド・ヴィンケルホック
14/31. ゲルハルト・ベルガー
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
初戦 1984年ブラジルグランプリ
出走優勝ポールFラップ
16000
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ATS・D7は、ATSチームが1984年のF1世界選手権用に製作したフォーミュラ1カー。デザイナーはグスタフ・ブルナー[2]。ATSにとって最後のマシンとなった。

概要

ATS・D6の改良型として開発し、カーボンファイバーモノコックを採用。エンジンは前年に引き続きBMW M12/13を搭載、ピレリタイヤを装着。ドライバーはマンフレッド・ヴィンケルホックが残留し、第12戦オーストリアグランプリから地元出身のルーキー、ゲルハルト・ベルガーがドライブ。

D7はその強力なBMWターボエンジンのおかげで驚異的なスピードを発揮し、予選では中団グリッドにつく走りを見せるが、マシンの信頼性やチーム内の運営等に問題があり、リタイア数10回を数えた。ベルギーでヴィンケルホックは予選6位に付け、決勝では序盤フェラーリミケーレ・アルボレートルネ・アルヌールノーデレック・ワーウィックに次いで4位を走行したが、39ラップ目に排気系トラブルでリタイアした。次戦のサンマリノでも予選7位から決勝ではポイント圏内の6位を走行したものの、ターボトラブルでリタイアとなった。

ヴィンケルホックは速いが信頼性に欠けるD7で完走したのは2度のみで、カナダダラスでの8位であった。ベルガーの走らせたマシンはヴィンケルホックよりは信頼性が増し、エステルライヒリンクでは12位で完走した。第14戦イタリアグランプリでは6位入賞を果たしたが、開幕時点では1台エントリーとなっていたため、2台目のマシンを走らせていたベルガーにチャンピオンシップポイントは与えられなかった(このケースはオゼッラから参戦していたヨー・ガルトナーも同様)。

ベルガーによるモンツァでの6位にもかかわらず、D7は1984年シーズンにポイントを得ることができなかった。BMWは翌シーズンのATSへのF1エンジン供給を取りやめ、ギュンター・シュミットはチームのシーズン終了後のF1撤退を決定した。

F1における全成績

(key) (太字ポールポジション

チーム エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 順位 ポイント
1984年 チームATS BMW M12/13 1.5 L4t P BRA
RSA
BEL
SMR
FRA
MON
CAN
DET
USA
GBR
GER
AUT
NED
ITA
EUR
POR
NC 0
マンフレッド・ヴィンケルホック EX Ret Ret Ret Ret Ret 8 Ret 8 Ret Ret DNS Ret DNS
ゲルハルト・ベルガー 12 6 Ret 13

ベルガーの獲得ポイントはチームが1カー登録だったため選手権には無効となった。

参照

  1. ^ 1984 ATS D7 BMW- Images, Specifications and Information”. Ultimatecarpage.com. 2012年8月8日閲覧。
  2. ^ デザイナー列伝 グスタフ・ブルナー F1グランプリ特集 vol.083 68頁 ソニーマガジンズ 1996年5月16日発行





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