ティレル・012とは? わかりやすく解説

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ティレル・012

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/29 17:34 UTC 版)

ティレル・012
ティレル・012(2010年クアラルンプールで撮影)
カテゴリー F1
コンストラクター ティレル・レーシング・オーガニゼーション
デザイナー モーリス・フィリップ英語版
先代 ティレル・011
後継 ティレル・014
主要諸元[1]
シャシー カーボンモノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン、プルロッド、コイルスプリング
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン、コイルスプリング
エンジン フォード・コスワースDFY 2993cc V8 NA ミッドエンジン, 縦置き
トランスミッション ヒューランド・FGA400 5速 MT
燃料 エルフ
タイヤ グッドイヤー
主要成績
チーム ティレル・レーシング・オーガニゼーション
ドライバー 3. ミケーレ・アルボレート
4. ダニー・サリバン
3. マーティン・ブランドル
3. ステファン・ヨハンソン
4. ステファン・ベロフ
4. マイク・サックウェル
出走時期 1983 - 1985
通算獲得ポイント 5
初戦 1983年オーストリアGP
最終戦 1985年オーストリアGP
出走優勝ポールFラップ
29000
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ティレル・012(Tyrrell 012)は、モーリス・フィリップ英語版を責任者として設計されたF1マシンで、1983年シーズンから1985年シーズンにかけてティレルチームが使用した。

概要

1983年仕様の012
ベロフの012(1984年アメリカGP

ティレルチームは1983年シーズンの序盤は前年モデルの011で参戦していたが、後半のオーストリアGPで初めて012がミケーレ・アルボレート用に投入された。ダニー・サリバンのために2台目の012が投入されたのは、最終戦の前戦ヨーロッパGPだった。

012の新車発表会で装着されていた奇妙な形状のV型リヤウイング(ブーメランウイング)が、012のデビュー戦である1983年オーストリアGPにも登場した。しかし、ダウンフォースが極端に不足したため、コンベンショナルなストレートタイプのものが以後使用された。また、サイドポンツーンが極端に小さく、マシン後部に斜め型に設けられた形状は、「矢印」との異名で呼ばれることもあった。

1983年ベネトンがタイトルスポンサーであったため、緑色のカラーリングをしていた。1984年シーズン前半は黒色主体のカラーリングになり、「ブラックアロー」という愛称でファンに親しまれた。なお、シーズン途中からマーティン・ブランドルの車のみヤードレー・オブ・ロンドンがスポンサーに付き、マシンカラーを赤茶色に変更。シーズン終盤にはコンピュータ関連企業のシスタイム(SISTIME)がメインスポンサーに付き、ステファン・ベロフステファン・ヨハンソン(ブランドル負傷休養の代役)両者のマシン共に青いカラーリングへと変更された。1985年は「水タンク事件」の影響でほぼ全てのスポンサーが撤退してしまったため、チーム伝統の「ティレルブルー」にチームロゴのみのデザインになっていた。

シャーシ履歴

012は1983年に2台、1984年に3台、1985年に2台が製造され、3年間で7台がレースに投入された。シャーシナンバー1と4の2台は1985年のシーズン前にバロン・レーシングに売却され[2]ロベルト・モレノクラウディオ・ランジェスがこのマシンでF3000に参戦した。

F1における全成績

012は勝利を挙げることはできなかったが、ティレルチームは1983年にコンストラクターズランキング7位(12ポイント)、1985年が同9位(4ポイント)となった。1984年マーティン・ブランドルアメリカ東GPで2位、ステファン・ベロフモナコGPで3位の活躍を見せるも、チームの不正(水タンク事件)によりリザルトを全て無効とされた。

(key) (太字ポールポジション斜体ファステストラップ

チーム エンジン タイヤ No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント 順位
1983年 ベネトンティレル・レーシングチーム コスワース・DFY
V8 NA
G BRA
USW
FRA
SMR
MON
BEL
DET
CAN
GBR
GER
AUT
NED
ITA
EUR
RSA
12* 7th
3 アルボレート Ret 6 Ret Ret Ret
4 サリバン Ret 7
1984年 ティレル・レーシング・オーガニゼーション コスワース・DFY
V8 NA
G BRA
RSA
BEL
SMR
FRA
MON
CAN
DET
DAL
GBR
GER
AUT
NED
ITA
EUR
POR
0* NC
3 ブランドル DSQ DSQ DSQ DSQ DSQ DNQ DSQ DSQ DNQ
ヨハンソン DSQ DSQ DNQ DSQ EX EX EX
4 ベロフ DSQ DSQ DSQ DSQ DSQ DSQ DSQ DSQ DSQ DSQ EX DSQ EX EX EX
サックウェル DNQ
1985年 ティレル・レーシング・オーガニゼーション コスワース・DFY
V8 NA
G BRA
POR
SMR
MON
CAN
DET
FRA
GBR
GER
AUT
NED
ITA
BEL
EUR
RSA
AUS
4 9位
3 ブランドル 8 Ret 9 10 12 Ret 10 DNQ
4 ベロフ 6 Ret DNQ 11 4 13 11
ヨハンソン 7

* 1983年の11ポイントは011によるポイント。
* ティレルは1984年シーズンの成績から除外された。

脚注

  1. ^ STATS F1 - Tyrrell 012”. Statsf1.com. 2010年8月23日閲覧。
  2. ^ Hamilton, Maurice (ed.) (1985). AUTOCOURSE 1985-86. Hazleton Publishing. pp. p.197. ISBN 0-905138-38-4 

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