2007年度の本試験
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「大学入試センター試験」の記事における「2007年度の本試験」の解説
「世界史B」小問32に関して河合塾は、「フランスでは、普仏戦争(プロイセン=フランス戦争)の敗北後、第三共和政が成立した」という文を正文として扱う問題があったのに対し、東京書籍『新選世界史B』(採択率:8.2%)と三省堂『世界史B』(同3.9%)では、第三共和政の開始を普仏戦争中の1870年として扱っており、学説的にも異同が見られることから、不適切な設問ではないかとする質問状を大学入試センターに送付した。これについて大学入試センターは同年1月21日、第三共和政が成立した時期については様々な説があるが、一般的には普仏戦争後に成立したと考えられているとして、明らかな出題ミスではないと回答した。だが河合塾は同日、該当の教科書で履修した生徒に対して問題が不利益になったこと、普仏戦争の敗北と第三共和制成立の定義について再考してもらいたいとして、質問状を送付している。 河合塾は、「化学I」第4問問4(加水分解後の物質より元のエステルの構造式を問う問題)についても、ギ酸はフェーリング反応をせず、問題文中の記述「b 得られたカルボン酸は、フェーリング液を還元した」を正確に考えると正解がなく、深く学習をした受験生にとって不利益になったとして質問状を送付している。これに対してセンターは同年1月26日、ギ酸とフェーリング液との反応については、通常のアルデヒドと同様に反応性を示すという文献と、ギ酸はフェーリング反応を示さないとの文献の2種類があるが、センター側による実験の結果、ギ酸がフェーリング液を還元することが確認されているため、正答は存在する、と回答している。 愛知県の県立高等学校に勤務する非常勤講師から、「物理I」第1問問1(変圧器の原理を問う問題)において、通常の変圧器の計算方法から算出される「5ボルト」が正解とされているが、実際に問題内の図で示されている装置を用いて実験を行った場合、約1.8ボルトしか観測されず、出題ミスであるとの指摘があった。大学入試センターは「各科目ごと20人程度が問題作成に関係しており、次回の参集時に検討してもらう」と回答するに留めた。
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