高度とアスリートのパフォーマンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 16:55 UTC 版)
「高度が人に与える影響」の記事における「高度とアスリートのパフォーマンス」の解説
アスリートのパフォーマンスに対して、高地は2つの相反する影響を及ぼす。瞬発力の必要な競技(400mまでの競走、走り幅跳び、三段跳びなど)では、気圧の減少は大気からの抵抗が減ることを意味し、パフォーマンスは一般的に向上する。持久力の必要な競技(5,000m以上の競走など)では、酸素の不足によりパフォーマンスは一般的に低下する。スポーツの統括組織もパフォーマンスに与える高地の影響を認識しており、たとえば国際陸上競技連盟は、標高1,000mを超える場所での記録は「高地記録」として後ろに"A"を表記している。 アスリートは、高地順応をパフォーマンスの向上に活かすこともできる。人体が高地に対して起こす変化は海面高度でのパフォーマンス向上に貢献する。日本国内では、長野県などの自治体が、山岳部や高原地帯に運動施設を整備して、高地トレーニングを誘致している。 しかし、アスリートは高地では海面高と同じ強さのトレーニングをできるわけではないため、常にいい効果があるわけではない。 このような問題から、"Live-High, Train-Low"として知られるトレーニング法が考案された。アスリートは日中の休憩の時間と夜間を高地で過ごし、低地でトレーニングを行う。1990年代の米国ユタ大学でBen Levine、Jim Stray-Gundersenらによって行われた一連の研究により、"Live-High, Train-Low"トレーニングを数週間続けたアスリートはかなりいいパフォーマンスを得られることが示された。また別の研究では、低地に住みながら高地で何度かトレーニングを行うことでいいパフォーマンスが得られることが示された。 高地トレーニングによるパフォーマンス向上効果は、赤血球の数の増加、より効率的なトレーニング、または筋肉の生理的変化による可能性がある。
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