飛行3日目
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/06 04:47 UTC 版)
ジェフリー・ホフマンは双眼鏡でハッブル宇宙望遠鏡を確認し、右手側の太陽電池アレイが90°傾いていたと記した。欧州宇宙機関が提供したこの長さ12mの太陽電池アレイは、地球の陰に入って冷えたり陰から出て温まったりする影響で1日に16回ふらつき、正確な位置取りができなくなるため、2度目の宇宙遊泳で交換するように計画されていた。 20:34(CST)に次の姿勢制御システムが点火するまで、接近速度は一定であった。この高度調整燃焼により、速度は1.4m/s速くなり、軌道は上昇し、ハッブル宇宙望遠鏡の64 km後方にくるように調整された。次の燃焼で、スペースシャトル軌道制御システムが点火し、速度は3.8m/s速くなった。接近速度は、1周ごと約30kmに調整され、2周後には15kmまで近づいた。21:58(CST)に3度目の燃焼が行われ、地上航跡の微調整が行われた。最後の姿勢制御システムの点火により、エンデバーはハッブル宇宙望遠鏡を受け止める軌跡に投入され、12:35から船長リチャード・コベイによる手動操縦でランデブーの最終段階の調整が行われた。コベイは、エンデバーをハッブル宇宙望遠鏡から9.1 mまで近づけ、その後、ミッションスペシャリストのクロード・ニコリエがエンデバーのロボットアームを用いて、オーストラリアから数100km東方の南太平洋上空で、3:48(EST)にハッブル宇宙望遠鏡を掴んだ。4:26(EST)に、ニコリエは望遠鏡をシャトルのカーゴベイに係留した。23:52(EST)から予定された1度目の宇宙遊泳に向け、全てが計画通りに進んだ。捕獲後、長さ15mのロボットアームに取り付けたカメラを用いて、さらに目視の点検が行われた。 この日の朝早く、ゴダード宇宙飛行センターの宇宙望遠鏡運用コントロールセンターの管制員は、ハッブル宇宙望遠鏡の2つの高利得アンテナを収容するコマンドをアップリンクした。両方のアンテナは適切に収容されたと表示されたが、一方のアンテナの2つのラッチともう一方のアンテナの1つのラッチ上のマイクロスイッチは「施錠可能」の信号を地上に送らなかった。アンテナが安定して収まっていたため、管制員は、ラッチを閉めないことを決断をした。この状況は、望遠鏡とのランデブー、把持、サービスの計画に影響を与えないと考えられた。
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