音名と階名について概説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 20:43 UTC 版)
「音名・階名表記」の記事における「音名と階名について概説」の解説
音名(おんめい)は音の高さを調やスケールとは分離して表す。階名に比べより「絶対的」な表現といえる。異なるオクターヴに属する同じ音には同じ音名が与えられる→ピッチクラス。すなわち、ちょうど1オクターヴ異なる音は同じ名前で呼ばれる。ただし、後述のように、音名は楽譜の書き方に依存する部分がある。同じ高さの音が楽譜の書き方によっては異なる音名となる場合がある。日本では音名に日本語(イ、ロ、ハ、などの片仮名)の他、英語、ドイツ語(ラテン文字のアルファベット)が多く用いられる。他の国ではその他にイタリア語やフランス語(do re miのソルミゼーション)も広く使われる。7つの幹音(かんおん、楽譜上、♯や♭を付けずに書き表せる音)には独立した名前が与えられる。そして、派生音(はせいおん、♯や♭の付く音)には、幹音の音名に♯や♭を表す言葉を付け加える。また、オクターヴを示す言葉を添える場合もある。 階名(かいめい)は、「主音に選ばれた音に対する相対的な高さ」を表す。日本では階名には一般にイタリア語を用いる。長調では主音は常にDo、短調の場合は主音はLaまたはDoである。また、数字(ローマ数字)を用いることもあるが、この場合、主音は常に i である。階名で歌うことを階名唱法と呼び、これはまた、ドの音高が音名に即して移動するので移動ド唱法とも呼ばれる。数字による階名唱法は"do re mi"が音名として定着したイタリアやフランスなどで行われる他、日本では明治期に「ヒフミ唱法」と呼ばれるものがあった。これに対して、音名で歌うことを音名唱法、イタリア語音名を用いる場合は固定ド唱法などと呼ばれる。音楽教育において移動ドと固定ドのどちらが有利であるかという議論は古くからあり、決着を見ることがない。
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