陸上競技への影響
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「バルコ・スキャンダル」の記事における「陸上競技への影響」の解説
2004年6月24日、サンフランシスコ・クロニクル紙によってティム・モンゴメリが2003年の連邦大陪審においてヒト成長ホルモン(HGH)やTHGの使用を認めていたと報道された。モンゴメリは自身に薬物を提供していたコンテがバリー・ボンズにもステロイド剤のウィンストロールを提供していたとも証言していた。バルコ社の捜査時に明らかとなった証拠や他の選手の証言から違反が確定し、2002年9月に男子100m走で出した9秒78の当時世界新記録を含む2001年3月末以降の全ての記録の抹消が決まり、2005年12月14日に引退に追い込まれた。 モンゴメリの妻のマリオン・ジョーンズはバルコ社との関わりやTHGの使用について否定を繰り返した。コンテは2004年12月2日にテレビ番組内で「ジョーンズがパフォーマンスを高めるために薬を使っていた」と発言。これに対してジョーンズは大陪審への出廷とコンテが行った中傷に対する裁判に備えて弁護人を雇った。しかし、2007年10月5日にホワイト・プレインズ連邦地裁にて、連邦捜査官がドーピングに関する調査を行った際にステロイドホルモン剤の使用を否定したのは偽証であったと認める証言を行い、同時に現役引退を表明した。国際オリンピック委員会(IOC)は12月12日にシドニーオリンピックの陸上競技で得た3つの金メダルと2つの銅メダルを全て剥奪する事を正式に決定した。2008年1月12日に薬物疑惑に関する捜査で偽証を行った罪で禁錮6か月の判決が下った。テキサス州サン・アントニオの刑務所に3月7日から服役し、9月5日に出所した。 THG発見のきっかけとなった注射器をUSADAに送ったのはジョーンズらのコーチを務めていたトレバー・グラハムだった。グラハムの指導していた選手がドウェイン・チェンバースに敗れたため、コンテは嫉妬心から告発を行ったのだと主張している。チェンバースは2003年10月22日にドーピング検査でTHG使用が判明し、翌2004年2月22日に2年間の出場停止とオリンピックからの永久追放処分を科された。しかしグラハムにも、彼がコーチをしていた選手がドーピング検査で陽性反応になった事から薬物使用疑惑が浮上し、1996年から2000年にかけて禁止薬物をグラハムに提供したという栄養士の証言も出た。グラハムは薬物の使用を否定したが、2008年7月15日にUSADAから永久追放処分を科され、同年10月21日には偽証罪で1年間の自宅軟禁と5年間の保護観察処分の判決が下った。
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