道徳感情論とは? わかりやすく解説

道徳感情論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/27 17:16 UTC 版)

道徳感情論』(どうとくかんじょうろん、: The Theory of Moral Sentiments)は、1759年に出版されたイギリス哲学者経済学者であるアダム・スミスによる道徳哲学倫理学)に関する著作[1]。古い翻訳では『道徳情操論』(どうとくじょうそうろん)とも。


  1. ^ 道徳感情論 - コトバンク


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道徳感情論

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アダム・スミス」の記事における「道徳感情論」の解説

詳細は「道徳情操論」を参照 『道徳感情論』は、スミスグラスゴー大学教壇立っていた時期書かれた本であり、1759年出版された。スミス生涯に『道徳感情論』と『国富論』という2冊しか書物を遺していないが、『国富論』が経済学属する本であるのに対して『道徳感情論』は倫理学に関するとされる今日のような秩序だった社会において人々は法の下で安心して安全な生活を送ることができるが、その根幹には人間どのような本性があるのだろうか。『道徳感情論』において、スミスはこの問題応えよう試みたスミスの師であるフランシス・ハッチソンこうした社会秩序人間のひとつの特殊な感情起因する考えたのに対しスミス社会秩序人間さまざまな感情作用し合った結果として形成される考えていた。『道徳感情論』の原題The Theory of Moral SentimentsのSentimentsが単数形ではなく複数形であるのも、こうしたスミス思想反影されている。 『道徳感情論』においてスミス社会秩序要因考えた感情とは、端的に言えば同感(英: symphathy)である。スミス重要視した同感とは、他人感情および行為の適切性(英: property)を評価する能力であり、こうしたスミス思想現代神経科学者や行経済学者からも注目されているスミスは、同感通じて人々自身感情や行為が評価されていることを意識し是認されることを望み否認されることを嫌っていると考えた。しかし、現実社会はしばし他人の間にも利害対立があるから、人々自身感情や行為の適切性を測るためには利害対立から独立した中立的な基準が必要である。スミスはこの基準公平な観察者(英: impartial spectator)と呼び人々具体的な誰か視線ではなく胸中公平な観察者視線意識しながら行動していると考えた。 ただし、偶然(英: fortune)の下では、公平な観察者評価世間の評価とが異な場合がある。スミスこのような不規則性(英: irregularity)が社会的に重要な味がある考え、偶然の下で公平な観察者評価重視する行為者賢人(英: wise man)、世間の評価重視する行為者を弱い人(英: weal man)と呼んだ人間自己統制(英: self-command)によって胸中公平な観察者の声に従おうとするが、激し情念の下では自己欺瞞によって公平な観察者の声を無視しようとする矛盾した存在である。 『道徳感情論』は自愛心を主張するものとしてグラスゴー大学におけるスミス後任者トマス・リードなどによって非難されかつてはスミス主著として読まれることも少なかった

※この「道徳感情論」の解説は、「アダム・スミス」の解説の一部です。
「道徳感情論」を含む「アダム・スミス」の記事については、「アダム・スミス」の概要を参照ください。

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