そうしんかのうか‐けん〔ソウシンカノウクワ‐〕【送信可能化権】
送信可能化権
(実演家)
(ア)生の実演
自分の「生の実演」を、サーバー等の「自動公衆送信装置」に「蓄積」・「入力」することにより、「受信者からのアクセスがあり次第『送信』され得る」状態に置くことに関する権利です(第92条の2)。
(イ)レコードに録音された実演
自分の実演が「録音」されたCDなどを使って、送信可能化することにも及びます(第92条の2)。
(ウ)映画の著作物に録音・録画された実演
実演家の了解を得ないで作成された作品を用いる場合に権利が働きます(第92条の2項)。なお、サウンドトラック盤等を用いる場合については、例外的に権利が働きます(第92条の2第2項)。
(レコード製作者)
レコードを、サーバー等の「自動公衆送信装置」に「蓄積」・「入力」することにより、「受信者からのアクセスがあり次第『送信』され得る」状態に置くことに関する権利です(第96条の2)。
(放送事業者)
放送(放送を受信して行う有線放送の場合を含む)を受信して、インターネット等で送信するために、サーバー等の「自動公衆送信装置」に「蓄積」「入力」することにより、「受信者からのアクセスがあり次第『送信』され得る」状態に置くことに関する権利です(第99条の2)。
この権利は、いわゆる「ウェブキャスト」のように、受信した番組を録音・録画せず、(サーバー等を通じて)そのまま流す場合が対象です。
(有線放送事業者)
有線放送を受信して、インターネット等で送信するために、サーバー等の「自動公衆送信装置」に「蓄積」「入力」することにより、「受信者からのアクセスがあり次第『送信』され得る」状態に置くことに関する権利です(第100条の4)。
この権利は、いわゆる「ウェブキャスト」のように、受信した番組を録音・録画せず、(サーバー等を通じて)そのまま流す場合が対象です。
送信可能化権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:12 UTC 版)
送信可能化権(23条1項)とは、インターネットなどで著作物を自動的に公衆に送信し得る状態に置く(2条1項9号の4)権利であり、平成9年の著作権法改正の際に導入された。 自動公衆送信においては、実際に送信行為が行われるのは、利用者のアクセスがあった時である。しかし、公衆送信権の対象は、送信行為であるため、実際にアクセスがなければ公衆送信権の侵害は生じない。また、利用者がアクセスして送信行為が行われたことを確認することが困難な場合もある。 そこで、送信行為の前提となる、自動公衆送信し得る状態に置く送信可能化行為を、著作権の対象とすることで、著作権者の権利行使を容易にしている。 なお先進国で送信可能化権を明文で規定しているのは日本とオーストラリアのみである(2004年現在)。 例えばウェブサイト上や動画共有サイトでのテレビ番組の権利者に対する無断アップロードは、少なくとも日本においては、送信可能化権の侵害となる。
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