論理的整合性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 04:44 UTC 版)
(下記の「科学的方法における論証」も参照のこと。) 論理的整合性とは、 「根拠(証拠物件)」 「推論過程」、 「結論」 から構成された三角ロジックによるフォーメーションを持った論理構成であり、 仮に「根拠となる事実(仮定を含む)」が間違っていないとすれば、推論過程に無理がないこと 内部矛盾や循環論法が少ないこと 根拠となる事実や仮定同士の間で矛盾がないか、あるいは矛盾があっても結論を防衛しえる議論を尽くしていること を意味する。 文科系の諸学問においては、検証、定量化が困難、あるいは、不可能な課題に取り組むことも多々ある。また、自然科学者からみれば、予測の定量性に瑕疵があると考えられる仮説が重要な学説として鎮座している場合もある。例えば、心理学、教育学などでは、測定原理の妥当性の評価が極めて難しい対象、例えば心の痛み、知能、学力等を扱う。例えば「心の痛み」というものが存在することを否定するものは極めて少数で、現代では組織運営をする上でも極めて重要な概念であり、正しい根拠に基づいた判断が要求されるものであるが、これを定量的に測定する測定原理を提案することは難しい。同様のもので、(存在するか否かが怪しいものも一部にあるが)おそらく存在するだろうと考えられ、何らかの重要な問題と関係があるものであるが、その測定原理を示し難いものは沢山ある。 このような対象に対しては、「論理的な整合性を維持しながら、適切な証拠を集めて議論をするならば科学的である」とする考え方もある。このような見解に立つと、ハリウッド映画俳優の共演関係のようなものまで科学的考察の対象と考えられることがある。このような考え方も、定量化が難しい分野においては、しかたなくではあるものの、ある程度認められた考え方である。 「論理的整合性」を吟味するにあたっては、前提としての科学的理論の合理性や、分析方法の適切さ、参考データの信頼性に最大限留意する必要がある。これらの点を欠くと、「蟻を殺すのに核兵器を使う」ような議論(集団ヒステリー)、逆効果の発生、ひいては冤罪等の最悪の結末を発生させる可能性がある。
※この「論理的整合性」の解説は、「科学的方法」の解説の一部です。
「論理的整合性」を含む「科学的方法」の記事については、「科学的方法」の概要を参照ください。
「論理的整合性」の例文・使い方・用例・文例
- 論理的整合性のページへのリンク