観光タワーとして
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 23:53 UTC 版)
テレビスタジオとして名を馳せた大阪タワーだが、その間も一般観光客の入場に対応していた(営業時間は午前10時 - 午後6時)。開業当時の営業時間は午前9時 - 午後9時。また、かつては元旦に「初日の出営業」も行われていた。 展望台1階部分は営業終了まで全面開放された。ここには送信機などが設置された他、スカイスタジオのラジオ放送ブースが設置される1989年秋までは2階部分も南東部のみ開放されていた。なお、スタジオとの間の部分はガラスで仕切られ、スタジオ部分に入る事はできなかった。 エレベーターは手動扉で、利用者がある場合には受付係員(中高年の男性)が自ら操作して利用者を展望台に案内し、下りる際には展望台のエレベーター前にあるインターホンを押して地上に下りている係員を呼び出すという方式であった。 エレベーター乗り場の横には喫茶「ティーラウンジ」(展望台閉鎖後も営業は続けていた)、この他エレベーター乗り場や「ティーラウンジ」のある低層部のタワー塔屋にはABCトラベルなどの関連会社の事務所があった。なお、スカイスタジオの映像や音声をコントロールする副調整室は隣接するABC本社の中に設置されていた。 この他、ABCの施設ということで、1987年頃まではチケット売場でABCの番組記念品を販売しており、人気番組「新婚さんいらっしゃい!」「おはようパーソナリティ道上洋三です」「ABCヤングリクエスト」などのノベルティグッズを扱っていた。また開業当初は大阪タワーのミニチュアの置物や絵葉書、記念刻印メダルなど、独自商品も販売していた。 利用者に渡される入場券やリーフレットも、地図部分や展望に関する内容が、開業当時やその直後のまま(広告は差し替えられている)で、地図には1990年代に入っても大阪万博会場が書かれていたり、和歌山駅も旧駅名の「東和歌山」と表記されていた。また、スカイスタジオから放送されている番組の紹介も記されていたが、これも放送時間や出演者が変更されないまま配布されており、古さが目立った。 開業当時の入場料は大人120円・子供60円。営業終了時の入場料も大人300円と安く、大阪キタの風景を眺めるのにも適していた。しかし後年は、近くに新梅田シティ、また大阪駅周辺や中之島方面にも大阪タワーより高い高層ビルが完成したため、展望台としての相対的価値は失われていた。もっとも、新梅田シティ完成前から利用者は寡少であった。一般営業を終了する2年前の1996年のタワー入場客は1日数人単位。1年間でも約1,800人にとどまり、5年前(1991年)の半分以下と落ち込んでいた。この当時の東京タワーの入場客数は年間300万人、通天閣は40万人台と、大きく水を開けられていた。
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