藻岩原始林
名称: | 藻岩原始林 |
ふりがな: | もいわげんしりん |
種別: | 天然記念物 |
種別2: | |
都道府県: | 北海道 |
市区町村: | 札幌市南区藻岩山 |
管理団体: | |
指定年月日: | 1921.03.03(大正10.03.03) |
指定基準: | 植2 |
特別指定年月日: | |
追加指定年月日: | |
解説文: | 天然紀念物解説 二〇八頁 参照 藻岩山ハ札幌郊外ニ聳エ、山腹ハ欝蒼タル原始林ニテ被ハレ殊ニ濶葉樹種ニ富ムヲ特色トス、主ナル樹種ハかつら、ほヽのき、こぶし、きはだ、にがき、いたやかへで、ぼたいじゆ、はりぎり、はしどいみづき、しらかんば、うだいかんば、えぞのたけかんば、みづなら、とどまつ等ナリ |
藻岩原始林
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 09:58 UTC 版)
開拓使は1871年(明治4年)より7種(イチイ・ハリギリ・イヌエンジュ・ヤマグワ・トドマツ・カツラ・エゾヤマザクラ)の立木の伐採を禁じ、1873年(明治6年)に官林を定めると、藻岩山や円山は禁伐林として保護された。しかし、1882年(明治15年)の開拓使の廃止による三県一局時代を経て北海道庁(1886年〈明治19年〉-1887年〈明治20年〉)となると、樹木の伐採禁止は緩和され、針葉樹など一部が伐採されるようになる。明治時代中頃には南側で木材が伐採され、この藻岩山は札幌に近いこと、近くの豊平川を用いた水運が利用できることから、北の沢川から豊平川、創成川を経由して札幌まで流された。 1892年(明治25年)に来日したアメリカの植物学者サージェントは、札幌農学校出身で藻岩・円山を研究フィールドとした植物学者の宮部金吾の案内で藻岩山を訪れ、その狭い地域における植生の多様性を『日本森林植物誌』(英: “Forest flora of Japan”、1894年)で世界的にも珍しいと紹介した。その後、明治時代末から大正時代初頭になると北海道の主な原始林の保存が検討され、北東斜面にあるシナノキ、ミズナラ、ダケカンバなどの広葉樹が生い茂る「藻岩原始林」が、1915年(大正4年)に北海道庁より原生天然保護林に指定された。その後、1921年(大正10年)3月3日、「円山原始林」とともに北海道で最初の天然記念物(史蹟名勝天然紀念物)に指定された。指定区域は284.7ヘクタール (284.68ha) の国有林であり、天然記念物になる以前、開拓使時代から伐採などの利用が禁止されてから今日まで、一度も人の手が入ったことのないという厳密な意味での原始林ではなく、原生林に近い天然林にあたる。1969年(昭和44年)11月、文部省と北海道教育委員会により「天然記念物 藻岩山原始林」碑が、藻岩山山頂、ロープウェイ終点広場、慈恵会病院登山口に建立されている。 南(南西)斜面の原生林は明治時代の数度の山火事により焼失し、天然記念物区域に指定されておらず、太平洋戦争後はスキー場などに利用された。
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