自由な共変な弦の場の理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 15:20 UTC 版)
「弦の場の理論」の記事における「自由な共変な弦の場の理論」の解説
共変な弦の場の理論の構成(明らかにローレンツ共変性を持つ)での重要なステップは、共変力学項を構成することであった。この力学項は力学項自体で弦の場の理論を考えることができ、自由弦の場の理論と呼ばれる。ワロン・ジーゲル(Warron Giegel)の仕事である共変力学項の方法は、自由弦の理論を 第一 量子化し、次に自由弦の理論の古典場が物資場と同要にゴーストを持つよう、第二 量子化する標準的な方法である。例えば、26次元の平坦な空間のボゾン的な開弦の場の場合は、BRST量子化された弦のフォック空間の一般的な元は、次の形を取る(上半平面の放射座標を使った量子化)。 | Ψ ⟩ = ∫ d 26 p ( T ( p ) c 1 e i p ⋅ X | 0 ⟩ + A μ ( p ) ∂ X μ c 1 e i p ⋅ X | 0 ⟩ + χ ( p ) c 0 e i p ⋅ X | 0 ⟩ + … ) , {\displaystyle |\Psi \rangle =\int d^{26}p\left(T(p)c_{1}e^{ip\cdot X}|0\rangle +A_{\mu }(p)\partial X^{\mu }c_{1}e^{ip\cdot X}|0\rangle +\chi (p)c_{0}e^{ip\cdot X}|0\rangle +\ldots \right),} ここに | 0 ⟩ {\displaystyle |0\rangle } は自由弦の真空で、ドット(".")は質量を持つ場を表す。ワールドシートの弦理論の言葉では、 T ( p ) {\displaystyle T(p)} , A μ ( p ) {\displaystyle A_{\mu }(p)} と χ ( p ) {\displaystyle \chi (p)} が、弦の振幅が様々な状態の中にあることを表現する。第二量子化の後では、それらは、タキオン(tachyon) T {\displaystyle T} 、ゲージ場 A μ {\displaystyle A_{\mu }} 、ゴースト場 χ {\displaystyle \chi } を表す古典場として、替わりに解釈される。 ワールドシートの弦理論では、フォック空間の非物理的な元は、条件 Q B | Ψ ⟩ = 0 {\displaystyle Q_{B}|\Psi \rangle =0} を導入することにより、等価関係 | Ψ ⟩ ∼ | Ψ ⟩ + Q B | Λ ⟩ {\displaystyle |\Psi \rangle \sim |\Psi \rangle +Q_{B}|\Lambda \rangle } と同様に消去される。第二量子化の後では、等価関係はゲージ不変性として解釈される。一方、 | Ψ ⟩ {\displaystyle |\Psi \rangle } が物理的であるという条件は、運動方程式と解釈される。物理的な場はゴースト数 1 であるので、弦の場 | Ψ ⟩ {\displaystyle |\Psi \rangle } がフォック空間のゴースト数 1 の元であることも前提としている。 ボゾン的な開弦の場合は、適当な対称性と運動方程式を持つゲージ固定された作用が元々アンドレ・ヌボー(英語版)(André Neveu)、ヘルマン・ニコライ(ドイツ語版)(Hermann Nicolai)、ピーター・ウェスト(Peter C. West)により得られている。これは、 S free open ( Ψ ) = 1 2 ⟨ Ψ | Q B | Ψ ⟩ , {\displaystyle S_{\text{free open}}(\Psi )={\tfrac {1}{2}}\langle \Psi |Q_{B}|\Psi \rangle \ ,} により与えられ、 ⟨ Ψ | {\displaystyle \langle \Psi |} は | Ψ ⟩ {\displaystyle |\Psi \rangle } のBPZ-双対である。 ボゾン的な閉弦に対するBRST-不変な力学項の構成は、さらに ( L 0 − L ~ 0 ) | Ψ ⟩ = 0 {\displaystyle (L_{0}-{\tilde {L}}_{0})|\Psi \rangle =0} と ( b 0 − b ~ 0 ) | Ψ ⟩ = 0 {\displaystyle (b_{0}-{\tilde {b}}_{0})|\Psi \rangle =0} という条件を加えることが必要である。従って、力学項は、 S free closed = 1 2 ⟨ Ψ | ( c 0 − c ~ 0 ) Q B | Ψ ⟩ . {\displaystyle S_{\text{free closed}}={\tfrac {1}{2}}\langle \Psi |(c_{0}-{\tilde {c}}_{0})Q_{B}|\Psi \rangle \ .} となる。 さらに考える必要のあることは、超弦をスーパーゴーストがゼロモードであるとして扱うことである。
※この「自由な共変な弦の場の理論」の解説は、「弦の場の理論」の解説の一部です。
「自由な共変な弦の場の理論」を含む「弦の場の理論」の記事については、「弦の場の理論」の概要を参照ください。
- 自由な共変な弦の場の理論のページへのリンク