自動化された設備群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/04 04:24 UTC 版)
ゆうき図書館は開館当時最新鋭の自動化設備を多数取り入れた。すなわち、ICタグ、自動貸出機、自動返却装置、自動化書庫である。ゆうき図書館ではこれらの設備について、いつかは陳腐化するものであると考えており、市民が情報を得るだけの場所でなく、市民の情報発信拠点として図書館を活用してほしいと願っている。 ICタグは、ゆうき図書館より3週間早く開館した笠間市立図書館(現・笠間市立笠間図書館)に先を越されたものの茨城県では2番目の導入であり、ICタグの導入を検討するほとんどの図書館員が知っているとされるほど、日本国内では著名な図書館である。ICタグは図書と図書館利用カードの両方に埋め込まれており、利用者は自動貸出機に借りたい図書を積み重ね、1番上に利用カードを置いて、タッチパネルで貸出冊数を入力し、「貸出ボタン」を押すと貸出手続きを完了することができる。貸出冊数を入力するのは、自動貸出機がICタグの読み取りをより正確に行うための工夫であるという。簡単な操作で貸し出しできるため多くの利用者が自動貸出機を使い、機械ものに強い子供が大人に操作方法を教える場面もあるという。なおカウンターへ持って行って貸出手続きを行うことも可能であり、AV資料に関しては必ずカウンターでの貸出処理を要する。 自動返却装置は館外の返却ポストと連動しており、図書をポストに投入するとセンサーが作動して約22m離れた1階カウンター裏の搬送口まで自動的に図書を運ぶ。この装置には図書運搬機能しか付いておらず、ICタグを読み取って返却処理をする機能はない。 自動化書庫はICタグですべての図書の位置を管理し、開館1年後の時点で図書収納用コンテナ約3,000個、収蔵可能冊数約12万冊の規模であり、将来的な拡張余地を残していた。カウンターで利用したい図書を職員が入力すると、その図書を含むコンテナが自動的に運ばれ、60 - 90秒ほどでカウンター裏の入出庫口に到着する。書庫に戻す際は、入出庫口のICタグセンサーで図書のタグを読み込ませ、空いているコンテナに図書を詰めれば自動的に書庫へ戻る。コンテナの空き具合も自動管理されているため、職員が「このくらいの空きがあるコンテナがほしい」と入力すると自動的に該当するコンテナが入出庫口に送られる。書庫は全面ガラス張りのため、2階の一般開架から書庫内をコンテナが行き来する様子を見ることができる。東日本大震災の際は地震直後の停電で機能が停止したものの、通電が再開した後には業者によるメンテナンスにより問題なく作動し、書庫内での資料の落下はなかったという。なお自動化されていない通常の書庫もある。
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