自動化の進展とレーダーの導入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 01:28 UTC 版)
「方位盤」の記事における「自動化の進展とレーダーの導入」の解説
従来、方位盤照準は、艦の動揺が激しいと、目標が射手の視野から外れ、再捕捉するには非常な訓練と技量を必要とした。これに対し、1916年にジャイロスコープが動揺修正に応用されて、自動化への一歩を踏み出した。これは、望遠鏡にジャイロ制御のプリズムを挿入して、照準線を方位盤の動揺に関わらず固定するものであり、イギリス海軍では1918年までに艦隊の全艦に装備した。またアメリカ海軍では、垂直安定儀(Stable Vertical)に組み込んで、まず方位盤の照準望遠鏡に適用した。当初はジャイロの追従性が不十分で、動揺が大きくなると対応できなかったが、改良によって追従性が向上すると、砲の運動の自動化が試みられるようになった。 無条約時代になると、アメリカ海軍では、艦内のデータ通信にシンクロ電機を導入した。当初は指針を動作させるだけだったが、シンクロ管制変圧器とサーボ機構の組み合わせによって動力伝達が可能になり、アンプリダイン(英語版)発電機の導入によって自動操縦が実現した。 1930年代にはレーダーの開発が進展しており、まず捜索用センサとして実用化されたが、方位盤においても、測距儀の補完ないし代替用として導入が図られることになった。イギリス海軍では1939年に戦艦「ネルソン」に284型レーダーの試作機を搭載、またアメリカ海軍でも1941年に重巡洋艦「ウィチタ」にFAレーダーを搭載した。
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