聖公会・プロテスタント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 05:42 UTC 版)
聖餐論に関して、共在説や象徴説、臨在説を採る大部分のプロテスタントでは、化体説(全実体変化説)を認めないので、聖体という呼び方はしない。 ただし、広義のプロテスタントに分類されることもある聖公会(アングリカン)では、聖別後のパンとぶどう酒をそれぞれ「主イエス・キリストの体」「主イエス・キリストの血」と呼ぶ。ラテン典礼(英語版)の流れを汲む聖公会でも、カトリックのホスチアと同様の酵母を使用しない無発酵のパンを用い、ウェファーやホーストと呼ぶ。また、聖公会の聖餐式(ユーカリスト)では、原則的に聖職も信徒も等しくパンとぶどう酒の両方を受けるが、この形を「二種陪餐」という。ぶどう酒は、司式者または信徒奉事者が手に持ったチャリスと呼ばれる杯から、一人一人聖卓の前に進み出て、口を付けて回し飲みする(一人飲むたびに、口を付けた部分を布で拭う)。あるいは「インティンクション」といって、手で受け取ったパンを杯のぶどう酒に軽く浸してから領食する場合もあり、未成年者や自動車運転者、アルコールに弱い人などはこの形式を採る。ルター派の一部でも、形式上はこれと同様の祭式が行われる。 ルター派の別の一部やその他のプロテスタントでは、専用に作られたものではない普通の発酵パンや、ぶどう酒に代えてノンアルコールのぶどうジュースを聖餐式に用いることが多くある。また、ぶどう酒やぶどうジュースは、小さな盃のようなガラス器に1人分を注ぎ、器を皿に載せて会衆に回し、それを受け取って自分の席で飲むという形式が多い。
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