美容分野でのヒドロキノン(ハイドロキノン)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/28 04:25 UTC 版)
「ヒドロキノン」の記事における「美容分野でのヒドロキノン(ハイドロキノン)」の解説
外用薬ではハイドロキノンと呼ばれることのほうが多い。ヒドロキノンは、その強力な漂白作用を利用したもので、シミ取り剤として皮膚科などで処方されるほか、薬局などでヒドロキノン配合の軟膏・クリーム等が市販されている。市販のヒドロキノン剤は通常2%-4%程度の濃度のものが多い。アメリカ食品医薬品局 (FDA) による規制では、2%以上の濃度は医師の監督下により処方されている。これら製品の使用中および使用後は日焼け止めの使用や、肌を守るための衣服の着用が勧められている。 トレチノイン(レチノイドの一種)とステロイド外用薬が配合されたハイドロキノン含有クリームも米国で承認されている。肝斑に対する比較研究では、ハイドロキノンとコウジ酸含有クリームにステロイド含まない方が効果が高い(この試験ではコウジ酸単体の方がこれにステロイドを足すより効果が高い)。ハイドロキノンは肝斑など色素沈着を減少させるために伝統的に使われてきたが、広い使用を制限されているため、ハイドロキノンよりも優れている代わりになる薬剤が必要とされている。後述する副作用や発がん性の懸念から、他の成分を使った製品が市場に増加してきた。 東京工業大学と新潟薬科大学の研究グループによりヒドロキノンとセタルコニウムクロリド(benzylcetyldimethylammonium chloride、BCDAC)などの界面活性剤との結晶性分子錯体が開発され、その錯体中でヒドロキノンの安定性が向上しかつ徐放性を持たせられた。酸化・変質しにくい性質を利用して「新型ハイドロキノン」「安定型ハイドロキノン」などの名称で化粧品などに配合されている。
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