第3のKKK
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 06:15 UTC 版)
「クー・クラックス・クラン」の記事における「第3のKKK」の解説
第二次世界大戦後、KKKはアメリカ南西部で労働者階級を主体として息を吹き返したが、統率力に欠け、影響力の低い組織だった。1964年にミシシッピ州フィラデルフィアで、地元警察と結託したKKKが3名の公民権運動家(ジェイムズ・チェイニー(英語版)、アンドリュー・グッドマン(英語版)、マイケル・シュワーナー(英語版))を殺害し、リンドン・ジョンソン大統領がFBIに対KKK作戦を命じて郡保安官や副保安官を含む21名を逮捕させた事件は、公民権運動における重要な出来事のひとつとなった。 詳細は「:en:Murders of Chaney, Goodman, and Schwerner」を参照 KKKの全国的な影響力は大幅に低下したものの、その後も形を変えて細々と生き長らえ、現在もなお幾つかの分派が活動を続けている。 現在存在する比較的規模の大きいKKK団体: Bayou Knights of the Ku Klux Klan-テキサス州、オクラホマ州、アーカンソー州、それにルイジアナ州などアメリカ南東部を拠点に活動するKKK Church of the American Knights of the Ku Klux Klan Imperial Klans of America Knights of the White Kamelia Knights of the Ku Klux Klan-現在アメリカに存在する最大のKKK団体だと自称している これ以外にも数多くの小規模なKKK系の団体が存在する。2005年時点での推定では約3,000人のメンバーが100~158あるKKK系の団体に所属していたとされる。このうち2/3の団体が旧南部を拠点にしており、残りの1/3は中西部を拠点にしている。 アメリカのメディアでは未だにKKKとして統一団体のように紹介されるが厳密に言えばKKKの全国組織は前述のように1927年の時点で崩壊している。現存するKKK系の団体に横のつながりはほとんどなく(組織によってはライバル意識すらある場合がある)、中央組織のようなものも存在しない。しかし一方で、徹底した地下組織化による中央組織・連絡協議会的組織の温存の疑いや、点在する表面上の小組織の細胞組織化(アルカーイダ系各種テロ組織やネオナチ各種団体を例にとれば分かる通り、一部組織の違法活動発覚で組織全体が芋づる式に検挙される危険性の回避に役立つ)工作の疑いも持たれ続けている。 現在アメリカでは、オハイオ州などでImperial Klans of America(通称IKA)が活発に活動を行っているとされている。 2006年2月20日付けのCNNニュース「Headline prime」の特集によると、IKAは現在若い世代に世代交代し(リーダーが20代)、KKKの主流として台頭していると言う。活動の活発化のバックグラウンドとして、ここ5年でアメリカのヘイトクライム予備軍の数は600から800へと急増しているということを挙げていた。それに伴い構成員の人数も2000年の3,000人から8,000人へと急増している。同じく人種差別を行う事からナチスを模倣するようになってきている(敬礼方法が左手を開いて前に出す等)。従来のKKKと異なる点は、破壊活動や暴力など違法行為を認めていない点である。IKAの本部はケンタッキー州にあるが、全米各地に支部を設けている。 2007年、ユダヤ人団体「名誉毀損防止同盟(ADL)」は、「KKKの活動が再び活発化しており、南部以外の州にも勢力を伸ばしつつある、ネオナチ・グループと手を結んでいる」と警告する報告書を公表した。KKKが移民問題や同性結婚、都市犯罪などを活用して、「驚くべき『復活』を経ている」と強調した。ただしADLという組織に関しては、1968年に起きたミシシッピー州のADL職員の自宅爆破未遂事件が、ADLがKKKリーダーを買収して実行させた狂言テロであったことが「ロサンゼルス・タイムズ」のスクープで暴露されるなど、多くの虚偽や違法行為に抵触してきた団体であることに注意する必要がある[要出典]。 2017年時点において、KKK系活動家の中には、ドナルド・トランプの不法移民に対する厳しい態度・政策に支持を表明する者もいる。 近年ではイギリスにおいても派生団体が誕生した。しかし、イギリスにおけるKKKは非常に小さな運動にしかなっておらず、イギリス社会への影響力は小さいとされる。
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