神判の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/20 15:26 UTC 版)
西洋の神判は、キリスト教聖職者が執り行うことになっていた。準備として水ないし鉄に清めの儀式をほどこす。司祭が決められた口上を読み上げて、神に真実のうかがいを立てる厳粛なものであった。神判そのものには、以下のような方法が取られていた。以下は代表的な例であり、ヨーロッパ各地で多様な神判が行われていたし、その方法も統一されてはいなかった。 釜審または火審 湯を沸かし、その湯の中に指輪または石を投入する。被告は素手でこれを取り出す。手に包帯を巻き3日待つ。その後ほどいて「きれい」であれば無罪とされる。中世ヨーロッパでもっとも古く、510年に言及が見られる。 水審 手足をしばって水中に投げ込む。浮かべば有罪、沈めば無罪。時間がかからない利便性が人気で、記録が豊富に残っている。9世紀には存在した。 熱鉄審 3日間の断食ののち、熱した鉄を持って3歩あるく。のちに包帯をして3日後「きれい」であれば無罪とされる。800年頃には存在したと考えられている。 鋤刃歩行 熱鉄審と類似の方法である。赤熱させた鋤刃を規定枚数(多くの場合9枚)並べ、その上を歩く。802年が最古の記録である。 クロス審 原告被告の両者が向かい合い、それぞれ両手を十字に広げる。疲れて先に腕を下ろした方の負けとする。小ピピンの頃(751年 - 768年)には存在したが、孫のルイ敬虔王はこれを禁じた。 聖餐審 パンまたはチーズの塊を飲み込む。苦しんだりむせたりすれば有罪、問題なく飲み下せれば無罪。868年の記録が最初の言及とされる。 このような神判で有罪になるのを恐れて、あるいは神判自体を恐れて、多くの者が逃亡した。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}逃亡もまた神判の一部なのであった。[要追加記述]
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