社長辞任後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/04 18:10 UTC 版)
2010年、エリック・プリンスはアブダビに移住してアラブ首長国連邦と密接な繋がりを持ち、2011年に「リフレックス・レポンセズ(通称R2社)」という新会社を設立する。アブダビ皇太子のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーンとの契約でエグゼクティブ・アウトカムズ、コロンビア国家警察(英語版)、特殊空挺部隊(SAS)、フランス外人部隊の元メンバーなどから成る800人の部隊を構成し、アラブの春で必要となった暴動鎮圧やテロ対策といった業務を請け負った。イスラム教徒は市民への発砲や殺害に躊躇するという理由で雇用されることはなかった。プリンスはアブダビのムハンマド皇太子やサウジアラビア皇太子のムハンマド・ビン・サルマーンら中東の王族関係者と米国政府の仲介役にもなってるとされる。アメリカ合衆国大統領のドナルド・トランプの支援者でもあり、サウジなどアラブ諸国と敵対するイランの孤立を狙ってロシアのウラジミール・プーチン大統領との橋渡し役も担ったとも報じられ、ロシアゲートでFBIの捜査対象にもなった。また、エリック・プリンスの姉ベッツィ・デヴォスはトランプ政権でアメリカ合衆国教育長官を務めており、トランプ大統領はイラクで市民を射殺したブラックウォーターの元社員4人に恩赦を与えている。 2013年、アフリカで中国政府系の中信集団(英語版)に所有された香港の警備・流通会社「フロンティア・サービス・グループ」(FSG)の会長に就任した。この企業は中国の一帯一路戦略を支援しており、プリンスは中国の情報機関との繋がりも米国当局に捜査された。FSGは北京で治安要員養成学校の運営に協力しており、新疆ウイグル自治区での対テロ訓練施設の建設契約の報道で物議を醸した際は関与を否定した。 2020年、リビア内戦にFSGを通じて関与していることが国連で報告され、同様にハリファ・ハフタル側を支援するロシアの民間軍事会社であるワグナー・グループの責任者と接触して傭兵部隊の提供を申し入れたことも報道された。
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