現在の社会認知研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 05:05 UTC 版)
「ジーン・ディセティ」の記事における「現在の社会認知研究」の解説
その後の研究では、共感、同情、個人的苦悩、自己所有感、主体感覚sense of agency(動作主である感覚)、視点交替perspective taking、情動調整、意識下の道徳的推論の神経生物学的研究を健常者と社会行動に障害のある人々について行っている。最近の一連の機能的脳画像研究と脳磁図研究で、子供でも大人でも、他人が痛みを受けている場面を目にすると、自分が痛みを体験する場合に活性化する神経回路が観察者側にも生じることを明らかにした。この体性感覚運動の共鳴は、他人の苦痛を共有することで生じる共感や道徳的推論の原始的な基盤形成に重要な役割を果たしている。他人の痛みに反応する脳の役割を理解することにより、思いやりや同情、罪の意識に欠ける社会性の障害(反社会性人格障害や行動障害)を持つ児童の理解につながるからである。ディセティ博士の研究室では、現在、機能的脳画像、構造的脳構造・拡散強調画像、視線と瞳孔計測、自律神経測定、行動反応測定を組み合わせて、犯罪歴のあるサイコパスなど精神病質特徴を持つ人々を調べることで、共感の正常機能・異常機能に関する神経学的機構を研究している。 ディセティ博士は、アメリカ国内の様々な大学、チリ、ドイツ、日本、台湾に共同研究者を持つ。
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