物的担保を構成する要素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/20 06:01 UTC 版)
物的担保は、原則として、以下の要素から構成される。 被担保債権 担保物権によって履行が担保されている債権。 担保目的物 被担保債権の履行を担保するための担保権の目的物として供された物や権利。 担保権者 担保権設定者から担保物権の設定を受けた者。セキュリティー・トラストの場合を除き、被担保債権者と一致する。 被担保債権者 被担保債権の債権者。セキュリティー・トラストの場合を除き、担保権者と一致する。 担保権設定者 約定担保物権を設定した者。被担保債権の債務者とは限らない。法定担保物権の場合には担保物権を負担する者は存在するが、設定者は存在しない。 例えば、債務者Aの債権者Bに対する債務αを、債務者Aの有する甲不動産に債権者Bのために抵当権を設定した場合、債務者Aが担保権設定者(抵当権設定者)、債権者Bが担保権者(抵当権者)、債権αが被担保債権、甲不動産が担保目的物(抵当目的物)となる。注意点としては、担保権設定者は、債務者に限られず、債務者以外の第三者が設定する場合には、当該第三者は物上保証人と呼ばれる。 留置権質権先取特権抵当権被担保債権留置物から生じた債権(金銭債権に限る) 合意により特定されまたは指定された範囲に属する債権の元本 利息 違約金 質物保存や強制執行時の費用 債務不履行又は隠れた瑕疵によって生じた損害 法律により特定された債権(金銭債権に限らない) 合意により特定されまたは指定された範囲に属する債権の元本 利息 定期金 遅延利息(遅延損害金) 抵当権実行費用(通説) 担保目的物留置物 物または権利 従物又は従たる権利 果実 代位物 先取特権の種類により多様(一般財産または特定の物もしくは権利。代位物を含む。) 不動産、みなし不動産 付加一体物 代位物 担保権者留置権者 質権者 先取特権者 抵当権者 設定者N/A 質権設定者 N/A 抵当権設定者
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