物権法定主義
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「中華人民共和国物権法」の記事における「物権法定主義」の解説
本法第5条は、「物権の種類および内容は、法律によって定める」と規定する。狭義の法律によらなければ物権は創設できないという、厳格な物権法定主義を採用している。ここでいう法律とは、基本法たる物権法のほか、土地法、水利法、海洋法等の特別法も含まれる。
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物権法定主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 15:20 UTC 版)
物権の種類と内容は法律によって定められ、法律で定められたもの以外の物権を新たに創設することはできないとする法原則を物権法定主義といい、民法175条、民法施行法35条に規定されている。 古くは、物権法定主義は、封建的権利を廃止し、個人の所有権の自由を確保するために制定されたものと説明されてきた。現在では、物権は債権に優先する効力を有し、また制度上債権以上の保護を与えられているため、各人が自由に物権を創出し得るとすれば法制度の混乱を招くために、このような原則が設けられている、と説明されることが多い。 法律に規定のない物権を設定する契約が結ばれても、物権法定主義により、そのような物権は発生しないが、当事者間においては有効な契約であり、当事者間に債権が発生する。 物権法定主義にいう「法」は、民法に限られず、たとえば採石法や鉱業抵当法などによって規定される物権もある。また、商法には商行為の性質から民法上の物権とは内容が幾分異なる物権(商事留置権など)が規定されている。 また、上記の物権法定主義を補完するものとして、「慣習による物権的な性質を持つ権利」も判例により認められている。その例として温泉権(大判昭和15年9月18日民録1611頁)と流水利用権(大判大正6年2月6日民録202頁)がある。ただし、強行法規である民法施行法35条は、「慣習上物権ト認メタル権利ニシテ民法施行前ニ発生シタルモノト雖モ其施行ノ後ハ民法其他ノ法律ニ定ムルモノニ非サレハ物権タル効力ヲ有セス」として、慣習上の物権を認めてはいない。また、法の適用に関する通則法第3条は、強行法規に規定される公の秩序に反する慣習を認めてはいない。このように、日本の形式的法律構成に基づくならば、慣習上の物権は認められない。物権法定主義において「慣習による物権的な性質を持つ権利」という実質的物権がいかに認められ得るかが学説上の大きな論点となっている。現在の多数説は、慣熟した慣習によって実質的物権が生ずることを否認するものとして、物権法定主義を見る必要はないとして、温泉権や水流利用権の物権的性質を認める。下級審判例には、背信的悪意者による債権侵害に対し、信義則違反と不法行為を理由として、物権的請求を認めたものがあり、「慣習による物権的な性質を持つ権利」の解釈の一つとされている。
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