無作為抽出
無作為抽出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 23:47 UTC 版)
統計調査を行う場合、標本は母集団から必ず「無作為に」抽出されたものでなければならない。これを無作為抽出(ランダム・サンプリング)と言う。無作為抽出を行うと標本が確率的に決まるため確率抽出とも言う。 標本調査の標本を無作為抽出するには、単純無作為抽出法(標本を単純に無作為に抽出する方法)を用いるのが一般的だが、世論調査においては母集団である全国民から単純に無作為に抽出するよりも、例えば市町村や都道府県など地域別、若者や高齢者など年齢層別と言った、母集団の中のさらに特定の集団(層)ごとの「民意」が見られる必要があるため、「層化」(母集団を異なる集団ごとに分けること)および「多段抽出」(母集団から集団を抽出して、そこから標本を抽出すること)を経た「層化無作為二段抽出法」が主に用いられる。 例えば内閣府の「国民生活に関する世論調査」における層化では、北海道や東北などの地区ごとによる層化が11層、区や市町村など都市規模による層化が65層である。 「無作為(random)に」とは「確率的に」つまり母集団の全ての対象が同じ確率で抽出されるように統計学的な方式で厳密に抽出を行うという意味であって、決して「適当に」抽出を行うという意味ではない。無作為抽出を行うための乱数の発生方法はいくつか考案されているが、母集団が例えば「電話番号の〇ケタの数字」など電子データとして存在している場合、コンピューターの擬似乱数を用いるのが最も簡単で、一般的に使われている(RDD方式など)。 デジタル化されていないデータを使って無作為抽出を行う場合、まず住民基本台帳などのデータの閲覧を申請して、例えば日経リサーチなら東京都千代田区の本社ビルや地方都市の支局などから調査員が自分の足で現地の役所に出向き、紙のデータの数を一枚一枚めくって確認し、それに手作業で通し番号を振って「系統抽出」という作業を行う必要があり、そこからさらに同じ足で調査対象者の自宅に出向いても拒絶される可能性が有るなど、精神的にも肉体的にもとても大変である。
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無作為(ランダム)抽出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 09:49 UTC 版)
無作為抽出は確率的抽出の代表的なものであり、全ての要素の組合せの起こる確率がわかっている(必ずしも同じとは限らない)場合である。標本が母集団を適切に代表しないリスクはあるが、統計学理論により抽出に伴う誤差からそのリスクを計算し、適切な(リスクが容認できる範囲で実用的な)標本サイズを選ぶことができる。無作為抽出のうちで最も基本的な単純無作為抽出では、各要素を同じ確率で選び出す。しかし、これは実用的でない場合も多い。より実用的な確率的抽出として層化抽出(上述)や多段階抽出(無作為抽出を反復する)をよく用いる。社会調査では、層化、段階の設定など作業者の既知の情報に基づいてしか行わないので、無作為であることはほぼ不可能である。第三者機関の調査でも、無作為であるかどうかよりも、公平であるかどうかを判断基準にすることがある。 無作為抽出が不可能な場合は、以下のような非確率的抽出が用いられる。
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