火の鳥 (漫画)
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『火の鳥』(ひのとり)は、手塚治虫の作品。20世紀を代表する漫画家である手塚のライフワークと位置付けられているシリーズ漫画である。時代的あるいは地質時代的に、または宇宙的に大きく隔てられた様々なキャラクターが登場し、死ぬことのない「火の鳥(フェニックス / 不死鳥)」を追い求めるという一点で互いに繋がりを持ちながら、ちっぽけな一つの生命としてあるいは煩悩にまみれた人間として生きる機会を得た“舞台”で、それぞれの生涯をかけたドラマを展開してゆくというもの。
注釈
- ^ 黎明編・未来編・ヤマト編・宇宙編・鳳凰編・復活編・羽衣編・望郷編・乱世編。
- ^ 雑誌『マンガ少年』連載時の望郷編の扉絵には既に「手塚治虫のライフワーク」と銘打たれていた[要文献特定詳細情報]。
- ^ 『漫画少年』1955年5月号まで連載されたのち、翌6月号に「つごうで一時やすませていただくことになりました」という手塚のコメントが掲載された。『漫画少年』の廃刊は同年10月号であり、廃刊が連載中断の直接の原因ではない[10]。
- ^ a b 『未来編』では25世紀を頂点に人類文明は衰退したと解説されるが、『復活編』では科学技術は進んだことが記述される。例えば復活編においては、技術の発達によってより精巧なロボットが制作されたことが記述される(それでも旧式なロボットであるロビタが普及したとされる)。また放射線に冒された子供を、医師が「30世紀の医療技術をもってしても治療不可能」と説明するくだりがあり、「25世紀より退歩しているから」という言及は無い。なお未来編においても、25世紀以降の衰退は、民衆が古いものを懐かしがったとされており、決して科学技術が退歩したとは記述されていないので、一応は矛盾はしていない。
- ^ 山之辺マサトおよびムーピーのタマミをめぐる論争が原因である。当初はコンピュータの指示を受けたロック(ヤマト)とモニタ少佐(レングード)同士によるテレビ電話での話し合いであったが、埒が開かないことからヤマトのコンピュータ「ハレルヤ」とレングードの「ダニューバー」の直接討論となった。しかし、お互いの主張が反目し合いまとまることはなく交渉は決裂。お互いが相手を消滅させようと目論み戦争の道を選択するに至る。現実における2国の対立と同じ。
- ^ 「狂いかけていて雑音が出ている」と述べられており、議論の堂々巡りからコンピュータが発狂した事が示唆されている
- ^ ヤマトとレングード以外のメガロポリスも同時に核爆発が起きているが、原作では核爆発の原因など詳細な説明はなされていない。アニメ版ではロックの「どこか一つでも残ればそこが勝利者となるからな」と漏らしており、暗に無関係のメガロポリスでの核爆発はヤマトとレングードのどちらかが関与していることを示唆している。
- ^ 一応、他の生存者も存在はしていた。汚染が無くなるまで5000年間起こさないでくれと冷凍睡眠していた者が居たが、マサトが5300年後に開けたみたら粉々に砕けて死亡していた。原因は不明だがマサトが「しまった」と発言している事から、5300年の間に機械の経年劣化か何かで故障し途中で死亡していた。或いは生命維持機能は正常に稼働していたが、設定通り5000年で止まっており、不具合か何かで蓋が開かないのを稼働していると勘違いし、300年余計に様子を見た事で死亡したと推測される。
- ^ マサトたちがドームに来る以前の物語はカットされ、後半もナメクジが進化し高度な文明を築きやがて大量破壊兵器による最終戦争で滅亡するに至るエピソードを全カットなど大幅に内容を変更している。
- ^ 石ノ森章太郎『サイボーグ009』「地下帝国ヨミ編」の粉本にもなっている。手塚と石ノ森のどちらが先なのかは不明。また、余談だが浦沢直樹『PLUTO』では手塚へのオマージュとして、粉本にされている。
- ^ 作中においては「毒の光」とされ「放射能」の言葉は無いが、続く望郷編において放射能であることが記述される。
- ^ NHKアニメ版は父子関係の相克を重視する路線で製作されており、本作品はその路線に適合していた。
- ^ 書籍『ゴジラ画報』では、「2時間」と記述している[37]。
- ^ 同様の手法は、同じ手塚原作のテレビドラマ『バンパイヤ』でも用いていた[37]。
- ^ 同劇団の代表 高平和子と秋田文庫版の手塚治虫作品集の表紙イラストを手掛けたイラストレーターの西口司郎は夫婦であり、生前に豪華版単行本のイラストを手掛けた事から手塚とも交流があった。
出典
- ^ a b 手塚治虫文庫全集 『火の鳥』 11巻 「火の鳥」解説、2012年、p.404-405.
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- ^ 「パリ初!手塚治虫さん原画展、松谷社長「火の鳥」続編に意欲」『サンケイスポーツ』産業経済新聞社、2014年1月28日。2022年8月17日閲覧。
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- ^ 矢口 (1990), 前文『「マタギ」の思い出』より。表題作が掲載誌を変えて書き継がれたことを、「火の鳥」と出版業界事情を引き合いに出して説明している。.
- ^ 『ブラック・ジャック創作秘話〜手塚治虫の仕事場から〜』3巻52ページコラムより。
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- ^ 角川文庫「火の鳥13 ギリシャ・ローマ編」 あとがきの手塚治虫の妹である宇都美美奈子の寄稿より
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- ^ 「「火の鳥」が道後温泉本館とコラボ、新作アニメ“道後温泉編”に三森すずこら」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2018年12月9日。2022年8月17日閲覧。
- ^ 「水樹奈々が火の鳥役に!手塚プロ×道後温泉のアニメを松山市長&手塚るみ子とPR」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2019年3月27日。2022年8月17日閲覧。
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