演技に対する姿勢と周りからの評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 10:09 UTC 版)
「緒形拳」の記事における「演技に対する姿勢と周りからの評価」の解説
長年親しかった映画評論家の垣井道弘によると、「新国劇時代に豪快な演技が魅力の辰巳と、繊細な演技が得意な島田というタイプの違う二人の師匠を持ったことで、緒形さんは演技の幅の広い役者になった」と評している。また、「緒形さんは『自分は演技をすることで生きているんだ』というはっきりした考えを持った人でした。“役作り”という言葉が嫌いで、台本のセリフが自分の言葉になるまで何度も何度も読み込むのです。役を作るのではなく、役が自分に憑依するまで突き詰めていました。 緒形は“日常の全てが仕事(=演技)に通じている”と考え、高みにたどり着くための努力を怠らない“仕事の鬼”だった。垣井によると映画『魚影の群れ』で漁師役を演じることになった緒形は、ロケの1ヶ月前から大間町(青森県)に住み込み、現地の漁師と一緒に漁をして役に備えた。その後の撮影時の緒形は衣装部が用意した服ではなく、先の漁師の一人が着用していた赤いセーターを借りて出演した。 長男・緒形幹太は、「父が新国劇を辞めた後少しはプライベートの時間に余裕ができるのかと思ったが、結局映画やテレビの撮影ばかりでほとんど家にいない状態になった。たまに家にいても父は常に台本とにらめっこ。毎年盆暮れ正月だけは家族水入らずの時間を作ってくれたが、その日も時間を見つけては台本に書き込みをしていた。仕事を全身全霊でやり遂げる父は、言わば“全身俳優”でした」と後年語っている。
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