梁塵秘抄口伝集巻第十残巻とは? わかりやすく解説

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梁塵秘抄口伝集巻第十残巻

主名称: 梁塵秘抄口伝集巻第十残巻
指定番号 2477
枝番 00
指定年月日 1993.06.10(平成5.06.10)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 書跡・典籍
ト書
員数 1巻
時代区分 鎌倉
年代
検索年代
解説文:  『梁塵秘抄』後白河法皇撰になる今様歌謡集で、『本朝書籍目録』にもその名がみえ、その内容歌詞集たる『梁塵秘抄』十巻と、口伝等を記した梁塵秘抄口伝集』十巻からなっていたと考えられている。本書後白河院自らが遊女傀儡などから直接習得した体験を基に、家元的な自覚の下に書き著されたもので、院政期民衆像を復元する上に貴重な資料として知られている。しかし現存する伝本少なく、「梁塵秘抄切」断簡を別とすると、「梁塵秘抄巻第一」(断簡)、「梁塵秘抄巻第二」、「梁塵秘抄口伝集巻第一」(断簡)、「梁塵秘抄口伝集第十」の四種三巻分が伝わっているに過ぎない
 国学院本(武田祐吉旧蔵)は鎌倉時代中期書写になる『梁塵秘抄口伝集』巻第十の残巻で、楮紙四紙をついで料紙とするが、現状首部欠き、「院の新院とまうしゝとき」云々以下七〇行分を存する本文一紙一九行、一行一八九字前後にやや速筆暢達した書風をもって書写される。本巻は巻第十巻頭第一段の院の今様修業経過部分収めたもので、初めさしたる師もなく、誰彼差別なしに今様学ばれ後白河院が、保元二年(一一五七三四歳の時に今様正格伝えた唯一の故老たる五条尼乙前尋ねて師弟契りを結び、様々な歌や曲調習得され次第記している。
 『梁塵秘抄口伝集』巻第十康暦元年一三七九)書写になる伏見宮旧蔵本(宮内庁書陵部)が知られるが、本書をこれと比較すると八か所に本文異同認められるなかでも本書にみえる「おなし御所に候しかは」「やかてくしてまひりたりしかは」の部分伏見宮本にみえないほか、「いちめ/ほそ」の書き様は、伏見宮本にみる読み区切りかたに再検討与えるなどの特徴がみえ、表記部分までを含めると両者の相違点は枚挙にいとまがない
 本書は残巻ではあるが、鎌倉時代遡る『梁塵秘抄』現存最古写本として、また伏見宮本と系統異にする写本として貴重である。



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