東宝大争議から
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 08:22 UTC 版)
第二次世界大戦終結から1年が経過した1946年(昭和21年)11月、第二次東宝争議の最中、東宝の経営者側にも、政治的な労働組合側にもつかないと立ち上がった俳優・大河内傳次郎に賛同した、長谷川一夫、黒川弥太郎、入江たか子、藤田進、花井蘭子、山田五十鈴、原節子、山根寿子、高峰秀子の十大スターが「十人の旗の会」を結成して組合を脱退した。同時に組合を脱退した百数十名の有志とともに、東宝撮影所(現在の東宝スタジオ)敷地外に戦前に増設した「東宝第二撮影所」(のちの国際放映撮影所、現在の東京メディアシティ)を母体にして、4か月後の1947年(昭和22年)3月25日に新東宝映画製作所を創業した。渡辺邦男や斎藤寅次郎らの監督も新東宝に移籍した。 新東宝映画製作所の創業年のラインナップは、下記の通り。 『東宝千一夜』、構成中村福(市川崑)、2月25日公開 『さくら音頭 今日は踊って』、監督渡辺邦男、3月25日公開 『九十九人目の花嫁』、監督佐藤武、4月22日公開 『大江戸の鬼』、監督萩原遼 / 志村敏夫、5月6日公開 『見たり聞いたりためしたり』、監督斎藤寅次郎、6月17日公開 『かけ出し時代』、監督佐伯清、7月15日公開 『誰か夢なき 前篇』、監督渡辺邦男、8月12日公開 『誰か夢なき 後篇』、監督渡辺邦男、8月19日公開 『浮世も天国』、監督斎藤寅次郎、共同製作吉本プロダクション、9月16日公開 『愛よ星と共に』、監督阿部豊、9月24日公開 『幸福への招待』、監督千葉泰樹、10月30日公開 『ぼんぼん』、監督佐伯清、11月4日公開 第1作の『東宝千一夜』は、東宝作品のアーカイヴ・フッテージを「十人の旗の会」メンバーを中心に、市川崑が「中村福」の偽名で再編集したものであった。本格的な製作は、渡辺邦男監督、長谷川一夫主演の『さくら音頭 今日は踊って』からである。いずれも、東宝が配給し、争議による製作不能に陥った東宝のプログラムを埋めていった。
※この「東宝大争議から」の解説は、「新東宝」の解説の一部です。
「東宝大争議から」を含む「新東宝」の記事については、「新東宝」の概要を参照ください。
- 東宝大争議からのページへのリンク