東京神学社とは? わかりやすく解説

東京神学社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/04 21:52 UTC 版)

東京神学社(とうきょうしんがくしゃ、英語: Tokyo School of Theology)は日本基督教会の指導者植村正久が明治37年(1904年)に市ヶ谷教会で始めた神学校である。正式名称は東京神学社神学専門学校である。

概要

植村正久は明治学院の教授であったが、南長老ミッション宣教師のサミュエル・フルトンと教科書問題のことで対立したことをきっかけに、明治36年に明治学院を辞任した。辞任の1年前より、植村の自宅で神学学習会を開いていた。そこには、植村の一番町教会の補助者であった外村義郎をはじめ数人の者が参加していた。20-30人くらいの出席者になったので、独立の神学校の設立を相談した。そこで、市谷薬王寺前町市ヶ谷教会の会堂を借りて授業を始めた。その後、日本基督教会から承認された。

この神学校は「神学科」「婦人科」「神学倶楽部」という三つの部門に分かれていた。「神学科」は牧師養成のためのもので、「婦人科」は女性伝道師を養成するためのもの、「神学倶楽部」は教師伝道者、平素神学に従事する者らの研究の場であった。

講義の課目は、宗教哲学、基督伝、耶蘇の時代、聖書釈義、旧約聖書緒論、「婦人科」は系統神学(組織神学)を加えた。教師は、宗教学、聖書釈義が植村正久で、耶蘇の時代が毛利官治、新約聖書総論が白井胤録であり、キリスト伝の大谷慮に千屋和、小倉鋭喜であった。その後、アメリカ留学から帰った柏井園が明治学院を辞して、東京神学社に転じた。

1907年に、クリスチャン実業家渡辺荘の寄付により、独自の校舎が建設された。1925年植村正久が急逝すると、高倉徳太郎が後継者になる。

1930年に明治学院神学部と合併して日本神学校となり、1937年東北学院神学部も加わったが、1941年4月の日本基督教団結成を受けて日本神学校も東日本各地の神学校(青山学院神学部日本バプテスト神学校日本ルーテル神学専門学校聖公会神学院・東亜神学校[1]・日本一致神学校[2]東光学院とともに日本東部神学校への合流を余儀なくされて廃校となった(1943年[3]

脚注

  1. ^ 1942年に渡瀬常吉の興亜神学院・弓山喜代馬の聖霊神学院・大東塾・日本聖書学校・聖書学寮の合併により誕生した神学校(『日本プロテスタント神学校史』 212-213頁)
  2. ^ 1934年に平出慶一東京府北多摩郡砧村に設立した神学校(『日本プロテスタント神学校史』 166-167頁)。
  3. ^ 東京神学大学の伝統と歩み

参考文献

関連項目

外部リンク


東京神学社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 15:26 UTC 版)

植村正久」の記事における「東京神学社」の解説

1903年藤村操の自殺に対して生きるとも何の甲斐あらんや」を『福音新報』に発表する第15回夏期学校で『ブラウニング宗教』と題して講演を行う。 1903年明治36年)に明治学院保守派の南長老宣教師(サミュエル・フルトンら)がクラークの『基督教神学概論』の使用反対した。このためフルトン袂を分かつことになり、植村明治学院辞職する。そして、甲府伝道開始する1904年明治37年)、甲府静岡豊橋岡崎名古屋大垣京都福山各地伝道を行う。さらに、東京郊外各地伝道も行う。渡辺荘らの資金的協力により、海外ミッションから完全に独立した、東京神学社神学専門学校設立した自給独立案大会提出する否決される1905年明治38年ジョン・ノックス400年記念会を神田青年会開催し、『改革者及び神学者たるノックス』と題して講演を行う。再び、日本基督教会大会提出した独立自給案」が可決される。 東京神学社主催宗教文学講演会で『ロベルト・ブラウニングの今世来世』と題する講演を行う。第17回夏期学校で『勢力宗教』と題して講演を行う。 1906年明治39年)に一番町教会会堂富士見町建築する。そして、富士見町教会改称する。東京神学社宗教文学講演会神田青年会開催しケーベル波多野精一と共に講演会を開く。そこで、『ワーズワース詩中の自然』と題する説教を行う。 1907年甲府静岡岡山伝道を行う。万国基督教青年大会東京都開催され、『学生伝道高調せらるべき理想たる基督似た生涯』と題する講演を行う。そして、千葉高知伝道を行う。この年、東京神学社が第一回卒業生を出す。 1908年東京市大挙伝道尽力する仙台大阪甲府舞鶴伝道をする。更に、京都津山岡山千葉の伝道応援する

※この「東京神学社」の解説は、「植村正久」の解説の一部です。
「東京神学社」を含む「植村正久」の記事については、「植村正久」の概要を参照ください。

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