暗号機エニグマ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 19:52 UTC 版)
「マリアン・レイェフスキ」の記事における「暗号機エニグマ」の解説
詳細は「エニグマ (暗号機)」を参照 1932年10月、まだドイツ海軍の暗号に取り組んでいたが、 レイェフスキは極秘事項であるドイツの新型暗号機エニグマIの攻略にも着手した。当時、エニグマによって暗号化された通信が次第に増えていたのである。最初の型のエニグマにはプラグボードが付いておらず、これは既に1931年以前に暗号局によって解読されていた。しかし、エニグマIの解読は徒労に終わっていた。 エニグマ暗号機は、26キーのキーボードとラテン・アルファベットのそれぞれの文字をあらわす26個のランプを持つ電気式の装置であった(ウムラウト付の文字を加えた29文字のモデルもある)。内部には暗号化ローターのセットと反転ローターが組み込まれ、これらが平文の文字を別の文字に置き換えて暗号文を作る働きをした。さらに、プラグボードがいくつかの文字をそれぞれ別の文字に入れ換え、暗号をさらに複雑なものにした。通信を暗号化するために、エニグマのオペレータはキーボードを使って平文を入力しながら、ランプが光って表示される暗号化された文字を読み取るのである。キーボードのキーを押すたびに1つあるいは複数のローターが回転し、次の文字の暗号化の方法を変えていく。送信者の機械と受信者の機械との間に意味のある通信を確立するためには、最初にローターのセッティング(日鍵)を同じにしておかなければならない。ローターの多くの可能なセッティングの組み合わせと、プラグボードでの文字の置き換えの組み合わせのために、可能な初期セッティングの数は膨大なものになる。この初期セッティングは毎日変えられた。つまり、ドイツの連絡文書の解読を常に続けるためには、毎日エニグマ暗号を新しく破らなければならないことになる。 エニグマで暗号化された情報を解読するためには、以下のことが必要であった。 暗号機の動作原理を理解すること 暗号化ローターの配線方法を知ること 日鍵を知ること。5枚の暗号化ローターのうちどの3枚を使用しているか。 3枚をどのような順番でセットしているか。 3枚の暗号化ローター初期状態(暗号化を始める際の、それぞれのローターの位置)はどうなっているか。 プラグボードはどの文字を交換しているのか。 この必要な情報のうち、暗号局がつかんでいたのは最初の動作原理の情報だけで、エニグマを破る際にレイェフスキはこの情報しか使えなかったのである.。
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