普及期・IT期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 00:59 UTC 版)
1961年に両面に信号機を取り付ける方式が国内で初めて導入される。 1966年(昭和41年)に歩行者用信号機が導入された。また、各メーカーで様々な形をしていた矢印記号は、警察庁の信号技術部会によって1972年(昭和47年)7月に車両用信号機の仕様書を作成して統一が図られた。 1975年(昭和50年)に新潟県で初めて、多雪でも視認性を確保するために縦型の信号機が導入される。 1994年(平成6年)に世界初のLED式信号灯器が愛知県に設置され、その直後に徳島県で設置された。そして、2000年(平成12年)に「U型車両用交通信号灯器」が仕様となったときには従来の電球式信号機に追加してLED式信号機も設置できるようになった。 2017年度(平成29年度)から警察庁は車両用信号機の表示面の直径の標準を300 mmから250 mmに変更した。この変更により、庇が省略され、横幅は200 mm縮まりスリムな筐体となる。明るさはそのままで、製造コストが17 %削減できる。さらに、6割近く軽量化されるため、台風の影響も受けにくくなる。2017年(平成29年)6月22日に大阪市鶴見区の交差点で初めて新型の信号機が導入され、将来的には全国126万基の灯器を交換する方針である。 2012年(平成24年)の笹子トンネル天井板落下事故以降、交通信号機の老朽化が問題となっている。そのため、的確な維持管理が求められている一方で、必要性に乏しくなった信号機の撤去も進められている。 歩行者用信号機の誕生と変遷 初期の信号機は車両用と歩行者用の区別がなく、同一の信号機によって交通整理が行われてきた。1936年(昭和11年)に五反田駅前交差点に車両用と区別するためレンズの直径が150 mmの歩行者用信号機が設けられた。その後、1963年(昭和38年)頃にレンズに人形を入れた歩行者用信号機が設置されたが、これらは青点滅しないものであった。そして、1964年(昭和39年)12月15日に歩行者用信号機の研究開発することが決定した。1965年(昭和40年)に警視庁が新宿追分交差点に試験設置し、アンケートを実施した。このアンケートの結果に基づき見当が加えられ、人形型の歩行者用信号機は1966年(昭和41年)2月9日に仕様書が作られ正式化された。そして、1996年(平成8年)に「U型歩行者用交通信号灯器」として従来から使用されている電球式に追加してLED式のものも使用できるよう仕様が制定された。。この1996年制定の仕様では電球式とLED式で同じ寸法の筐体が用いられていた。その後、電球式では必要な筐体内部の反射板が不要となり、車両用信号機と同様に薄型化された。薄型化によって軽量化や作業性向上の効果の他に歩行者用信号機においては車両との接触事故を防止する効果もある。 待時間表示装置を併設した信号機は1988年(昭和63年)に東京都で試験設置が開始され、1996年(平成8年)から正式に設置されるようになった。その後、2006年(平成18年)から赤信号・青信号の残り時間を同時に表示できる「経過時間表示付きLED式歩行者用交通信号灯器」(ゆとりシグナル)の設置が開始された。
※この「普及期・IT期」の解説は、「日本の交通信号機」の解説の一部です。
「普及期・IT期」を含む「日本の交通信号機」の記事については、「日本の交通信号機」の概要を参照ください。
- 普及期・IT期のページへのリンク