日本国外での運用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 05:32 UTC 版)
一式戦は日本軍以外の軍隊で最も運用された日本製戦闘機でもある。大戦中には「友好国」であった満洲国軍やタイ王国軍に供与され、両軍では連合軍機を相手に幾度となく戦闘を行っている。タイ王国軍は一式戦に国籍標識として「白象」を垂直尾翼に描き、中村三郎大尉ほか第64戦隊員により運用の指導が行われ(それらの模様は1944年4月27日の日本ニュース第204号『タイ空軍「隼」戦闘機で訓練』に収録)、バンコク空襲では日本軍機とともに迎撃戦に参加している。第二次大戦後も数年間、アメリカ製戦闘機が配備されるまで使用されていた。 外地で終戦を迎えた一式戦はフランス軍、インドネシア軍、中華民国軍(国民革命軍・国民党軍)、中国人民解放軍(紅軍・共産党軍)、朝鮮人民軍に接収された上で使用されている。フランスは第一次インドシナ戦争において二つの部隊で二型を対ゲリラ戦に、インドネシアではインドネシア独立戦争において二型をイギリス軍、オランダ軍との戦闘で使用している。これら各国では、敗戦により武装解除を受け捕虜となった日本軍操縦者により操縦方法を伝授されていた。中国では共産党軍が関東軍の第4練成飛行隊長林弥一郎元少佐ら日本軍人による東北民主連軍航空学校での指導の下に、国共内戦において使用。一方の国民党軍においても自軍の国籍標識を付けた機体が複数存在したが、アメリカからの全面的な支援を受けていた国民党軍においてこれらがどの程度実用されていたのかは明らかでない。朝鮮人民軍では戦後の一時期、創設間もない航空部隊の訓練用に二型を運用しており、ソ連機が配備されるまで使用された。 タイ王国軍における一式戦二型(キ43-II)を再現した模型 インドネシア軍における一式戦二型(キ43-II)。天蓋がオリジナルの二型とは異なるなど手が加えられている。インドネシア空軍中央博物館所蔵 国民革命軍における一式戦一型(キ43-I)
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