文学および音楽の主題として
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「イネス・デ・カストロ」の記事における「文学および音楽の主題として」の解説
ポルトガルの文芸界にイネス・デ・カストロの姿を永遠に留める作品が複数あり、ルイス・デ・カモンイス作『The Lusíadas』(第3篇第118-135スタンザ)もそのひとつである。スペイン語圏にはヘロニモ・ベルムデス(en)『Nise lastimosa』『Nise laureada』(1577年)、『Reinar despues de morir』(ルイス・バレス・デ・ゲバラ作)あるいは1826年のジェンリス侯爵夫人(en)による『Inès de Castro』があり、フランスの劇作家アンリ・デ・モンテルラン(en)の作品『La Reine morte』(仮題:死せる王妃)がある。スペイン語の小説『Inês de Castro』はマリア・ピラール・ケラルト・デル・イエロ(es)が記し、ポルトガル語にも翻訳された。 英語圏の演劇界を見ると、アフラ・ベーン作『Agnes de Castro, or, the Force of Generous Love』(1688年)のほかキャサリン・トロッター・コックバーン(en)作『Agnes de Castro』(1695年)があり、メアリー・ラッセル・ミトフォード(英語版)が記した戯曲は『Inez de Castro』と題された。 詩人フェリシア・へマンズ(en)は1828年、雑誌『The New Monthly Magazine』に「イネス・デ・カストロの戴冠」を投稿した。 現代にもエズラ・パウンドが『カントウズ』(en)にイネス・デ・カストロを繰り返し登場させ、第3篇に初出する。 舞台芸術でもオペラとバレエにはこの人物を中心に据えた20超の作品があり、18世紀から19世紀のオペラに次の作品がある。 作曲ベルンハルト・アンセルム・ヴェーバー『Ines di Castro』(1790年、ハノーファー初演) 作曲ニコロ・アントニオ・ジンガレッリ『Ines di Castro』(1798年) 作曲ウォルター・サヴェッジ・ランドー『Ines de Castro』(1831年) 作曲ジウゼッペ・ペルシアーニ(en)、サルヴァトーレ・カンマラーノ台本『Ines de Castro』(1835年) 作曲ピエトロ・アントニオ・コッポラ(en)『Ines di Castro』(1842年、リスボン初演) 現代オペラにもこの人物の物語は影響を与えている。 スコットランドの作曲家ジェームズ・マクミラン(en)による『Ines di Castro』は1996年エジンバラ国際フェスティバルで初めて舞台にかかった。 ドイツ語題名『Wut(ドイツ語版)』(仮題:激怒)はスイス人作曲家アンドレア・ロレンツォ・スカルタッジーニ(en)が作り、ドイツの公設オペラ施設のエアフルト劇場(en・エアフルト)で2006年9月9日、世界初上演された。 アメリカの作曲家トーマス・パサティアの作品『Ines de Castro』の初演は1976年、ボルティモア・オペラ劇団(en)が初演する。 『Ines』はカナダ出身の作曲家ジェームズ・ロルフ(en)の作品。トロントで2009年、劇団「Queen of Puddings Music Theatre Company」の手で初演された。 このほか、ポルトガル出身の作曲家ペドロ・マセード・カマーチョ(1979年 - )はイネス・デ・カストロに葬送曲を捧げており、亡骸がコインブラからアルコバッサ修道院に改葬されて650年を迎えた2012年、コインブラ大学に属する大聖堂(en)で奉献された。イネスを失ったペドロが肉体の愛から精神の愛へと昇華させる姿をさまざまな要素からくみ上げたのはクリストファー・ボクマン Christopher Bochman で、リスボン青少年交響楽団とともにオペラ『Corpo E Alma』(仮題:肉体と精神)を上演した。
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