教養語彙としての漢語系語彙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 02:10 UTC 版)
「漢語系語彙」の記事における「教養語彙としての漢語系語彙」の解説
東アジアの歴史において中華文明の存在感は圧倒的であり、周辺の国々に文化、思想、言語などに大きな影響を与えてきた。この中で日本、朝鮮、ベトナムに代表される諸地域は、中国の先進的な文化をとりいれる過程で漢字文化を模倣するようになった。 古代より中国と文明的落差があったこれらの地域は、文化的に高級な概念を漢字という形で語彙体系の中に借用してきた歴史がある。だからこれらの言語における漢語系語彙は、抽象的で難解である傾向があり、一種の「教養語彙(learned vocabulary)」を担ってきたという。 近代の日本において、文化的模倣の対象が中国から西欧に移り、大量の近代的概念を西欧語から翻訳する必要にせまられた際も、固有語よりもむしろ教養語彙である漢語系語彙が積極的に導入され、おびただしい数の「新漢語」が誕生した。このような語彙は「和製漢語」などと総称されており、漢語の本場たる中国に逆輸出され、漢字文化圏にある朝鮮、ベトナムにおいても定着した語が多い。
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