押出仏とは? わかりやすく解説

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おしだし‐ぶつ【押出仏】

読み方:おしだしぶつ

仏像造法の一。半肉彫り原型の上に薄い銅板を置き、鎚(つち)で打って原型と同じ像形浮き出させるもの。また、その像。中国の影響を受け、飛鳥白鳳天平時代盛んに行われた。鎚鍱像(ついちょうぞう)。


押出仏

読み方:オシダシブツ(oshidashibutsu)

薄い金属板に浮出しにした仏像


押出仏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 20:30 UTC 版)

押出仏(おしだしぶつ)とは、薄い板を鋳造した凸型に載せてで叩いて文様を浮き出させ、鍍金もしくは箔押しで仕上げた仏像のこと[1][2]打出仏とも言うほか[3]、中国における鎚鍱像(ついちょうぞう)もこれに当たるという説もある[2][注釈 1]。この技法による造仏が日本に伝わったのは、他の仏教美術と同様に朝鮮半島を経由して6世紀から7世紀ごろと考えられ[5]の影響を多く受けた飛鳥時代後期に最盛期を迎えて奈良時代まで継続して製作されるが、平安時代には製作されなくなった[6]。一つの原型で大量に制作することが出来るのが特徴で[1]、在家信者の念持仏もしくは厨子や堂塔の内部を荘厳するために製作されたと考えられる[3]


注釈

  1. ^ 鎚鍱仏も銅板を叩いて成形した仏像であるが、仕上げ段階では型を用いずに叩き出したと思われる物もあり、より高度な別の技法とする説もある[4]
  2. ^ 型で金属板に文様を打ち出す技法は古墳時代馬具にも見られるが、それらの技法が発展したものではないとされる[5]
  3. ^ 法隆寺伝来の銅板如来三尊像は型としては使用せず残されたと考えられる[13]

出典

  1. ^ a b c d e 山本勉 2015, p. 39-40.
  2. ^ a b コトバンク: 押出仏.
  3. ^ a b c 久野健 1984, p. 104-105.
  4. ^ コトバンク: 鎚鍱像.
  5. ^ a b c d e 久野健 1984, p. 105-106.
  6. ^ a b c 久野健 1984, p. 128-131.
  7. ^ 山本勉 2015, p. 29-30.
  8. ^ 久野健 1984, p. 126-127.
  9. ^ a b c 久野健 1984, p. 108-110.
  10. ^ 久野健 1984, p. 106-108.
  11. ^ 久野健 1984, p. 112-114.
  12. ^ 久野健 1984, p. 122-124.
  13. ^ a b c 久野健 1984, p. 115-117.


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