心理学的アプローチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 08:35 UTC 版)
「ピーターパン症候群」の記事における「心理学的アプローチ」の解説
ピーターパン症候群患者の心理学的なアプローチとしては、言動が「子供っぽい」という代表的な特徴をはじめ、精神的・社会的・性的な部分にリンクして問題を引き起こし易いという事例が挙げられている。過去に解析されてきた事象のほとんどでその症状に陥ったと思われる人物が「男性」であるという点もこの症候群が男性にのみ訪れるという特色を示している。 カイリーは著書の中でピーターパン症候群患者を「ピーターパン」と綴ってその症状・特徴を述べている。 著書の内容を大まかにまとめると以下のようなものである。 「ピーターパン」は人間的に未熟でナルシシズムに走る傾向を持っており、『自己中心的』・『無責任』・『反抗的』・『依存的』・『怒り易い』・『ずる賢い』というまさに子供同等の水準に意識が停滞してしまう大人を指す。ゆえにその人物の価値観は「大人」の見識が支配する世間一般の常識や法律を蔑ろにしてしまうこともあり、社会生活への適応は困難になり易く必然的に孤立してしまうことが多い。また「ピーターパン」は年齢的には大人の男性である「少年」で、母親に甘えている時や甘えたいと欲している時に、母性の必要を演じる傾向も持ち合わせている。(所謂幼児回帰の要素も含んでいる) またカイリーは著作の中で、ピーターパンの性格を機能不全で誰かに頼らざるを得ない家族になぞらえて説明した。これは同博士によって著わされた「ウェンディ・ジレンマ」にも通ずる問題提起となっている。 これらの症状に陥る条件としては、近親者による過保護への依存、マザーコンプレックスの延長、幼少期に受けた苛めもしくは虐待による過度なストレス、社会的な束縛感・孤立感・劣等感からの逃避願望、物理的なものでは脳の成長障害なども関係しているのではないかと諸説が唱えられているものの、現段階での学識的な因果関係としてはあくまで推測の域である。
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