天然ガス(LNG)火力発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 16:46 UTC 版)
「火力発電所」の記事における「天然ガス(LNG)火力発電所」の解説
オイルショック以降、普及や燃料転換が進み、現在では火力発電の中で最も比率が高い。天然ガスは、都市ガスの最主力燃料でもあるため、発電所の天然ガス受け入れ設備をそのまま都市ガスとして供給しているところがほとんどである。ガス事業者への売却という所もあれば、発電所敷地内の天然ガス受け入れ設備のみを電力会社とガス事業者の合併会社が運営しているところもある。発電効率向上のため、近年ではガスタービン発電設備と汽力発電設備を組み合わせたコンバインドサイクル発電方式が導入されている。コンバインドサイクル発電を採用している場合、運転・停止が短時間で容易にでき、需要の変化に即応した運転が可能であり、ミドル電源として運用されている。LNG(液化天然ガス)は、ガスを液化する際にガス中の「ちり」、燃焼時に硫黄分などの不純物を取り除いているため、硫黄酸化物や煤塵の発生がなく、環境負荷が少ない。LNGの貯蔵設備やパイプラインの敷設など、付随設備の建設に時間・コストがかかる。なお、気化作業を近隣のガス会社に委託している発電所もある。 採用例JERA富津火力発電所1~4号系列(計566万kW) 袖ケ浦火力発電所2~4号機(各100万kW) 南横浜火力発電所1、2号機(各35万kW) 世界初のLNG専焼火力 川越火力発電所1、2号機(各70万kW):日本初の二段再熱式超々臨界圧ボイラーおよび蒸気タービンを採用 東北電力 東新潟火力発電所3号系列(121万kW):日本初のLNGコンバインドサイクル発電方式を採用 採用予定北海道電力 石狩湾新港発電所1、2、3号機(各56.94万kW): 1号機 2019年2月運転予定
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