外積代数
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/01 07:18 UTC 版)
外積代数(がいせきだいすう、独: äußere Algebra、英: exterior algebra)は、ヘルマン・グラスマンによって導入された代数。グラスマンに因みグラスマン代数(独: Graßmann-Algebra、英: Grassmann algebra)[注 1]とも呼ばれる。
注釈
- ^ Grassmann (1844) では拡大された代数 (extended algebra) として導入されている (cf. Clifford 1878)。おそらく現代的な線型代数学において定義されるところの outer product との区別のために、グラスマンは彼の定義した(今日では便利に外積 (exterior product) と呼ばれる)積 (produkt) を指し示すだけのために äußere(逐語訳すれば外の (outer) あるいは外部の(exterior))という言葉を用いた。
- ^ 注意すべきは、多元環 ⋀(V) の任意の元に対して成立が要請される結合性や双線型性とは異なり、ここに挙げられる 3 つの条件は、この多元環の部分空間である V 上でのみ制約として課せられているということである。ここで条件 (1) と条件 (3) は同値であり、条件 (1) と条件 (2) は K の標数が 2 でない限り同値である。
- ^ これは標準的な定義の一つ。See, for instance, MacLane & Birkhoff (1999).
- ^ 慣習的に、特に物理学では、楔積を
- ^ 主張のうち ⋀ が全射を全射に写すという部分はより一般に V と W が環上の加群である場合にも成り立つ。See Bourbaki (1989, Proposition 3, III.7.2).
- ^ このことは V と W が可換環上の射影加群である場合にのみ一般化できる。そうでない場合には ⋀ が単射を単射に写すことが一般には期待できない。See Bourbaki (1989, Corollary to Proposition 12, III.7.9).
- ^ このようなフィルトレーションはベクトル束や可換環上の射影加群についても取れる。これはしたがって、上述の直和に対する結果よりもっと一般的な結果である。実際、他のアーベル圏では必ずしも短完全列が分裂するとは限らない。
- ^ カネンバーグはグラスマンの仕事の英訳 (Kannenberg 2000) において Ausdehnungslehre を Extension Theory と訳している。
- ^ かつてはこの計算についてさまざまな呼び方が成されており、calculus of extension (Whitehead 1898; Forder 1941) とか extensive algebra (Clifford 1878) とか、近いところでは extended vector algebra (Browne 2007) などがある。
出典
- ^ この面積の公理化はレオポルト・クロネッカーとカール・ワイエルシュトラスによる; see Bourbaki (1989, Historical Note)。近代的な取り扱いについては、see MacLane & Birkhoff (1999, Theorem IX.2.2)。初等的な取り扱いについては、see Strang (1993, Chapter 5)。
- ^ このことのもっと一般な証明はたとえば Bourbaki (1989) に見ることができる。
- ^ See Sternberg (1964, §III.6).
- ^ Bourbaki (1989, III.7.1) および MacLane & Birkhoff (1999, Theorem XVI.6.8) を見よ。一般の普遍性に基づくより詳細な議論は MacLane & Birkhoff (1999, Chapter VI) およびブルバキの著作の至る所で見ることができる。
- ^ See Bourbaki (1989, III.7.5) for generalizations.
- ^ J. Itard (1970-1990). Biography in Dictionary of Scientific Biography. New York.
- ^ Bourbaki 1989, p. 661
外冪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 01:56 UTC 版)
V の k –次外冪 (k-th exterior power) ⋀k(V) とは x 1 ∧ x 2 ∧ ⋯ ∧ x k , x i ∈ V , i = 1 , 2 , … , k {\displaystyle x_{1}\wedge x_{2}\wedge \cdots \wedge x_{k},\quad x_{i}\in V,i=1,2,\ldots ,k} で張られる ⋀(V) の部分線型空間である。 α ∈ ⋀k(V) とするとき、α は k-重ベクトル (k-multivector) と呼ばれる。更に、α が V の k 個の元の楔積で表すことができるならば、α は分解可能 (decomposable) であるという。 ⋀k(V) は分解可能多重ベクトルによって張られるけれども、全ての元が分解可能というわけではない。例えば、 R4 で次の 2 重ベクトル α = e 1 ∧ e 2 + e 3 ∧ e 4 {\displaystyle \alpha =e_{1}\wedge e_{2}+e_{3}\wedge e_{4}} は分解可能ではない(α ∧ α ≠ 0 であり、実際にはこれは斜交形式である)。
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外冪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/05 10:15 UTC 版)
余接空間の k 次外冪、Λk(Tx*M) と表記される、は微分幾何学の別の重要な対象である。k 次外冪のベクトル、あるいはより正確には余接束の k 次外冪の断面は微分 k 形式と呼ばれる。それらは k 個の接ベクトル上の交代多重線型写像と考えることができる。この理由のため、余接ベクトルはしばしば 1 形式 と呼ばれる。
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