塩素消毒副生成物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/15 06:42 UTC 版)
「水の消毒に伴う副生成物」の記事における「塩素消毒副生成物」の解説
水に対して塩素消毒を行ったことにより発生する塩素消毒副生成物は多岐にわたり、1つ1つの化合物名ではなく化合物群の総称を列挙しただけでも、例えば、トリハロメタン、ハロ酢酸(酢酸の持つ炭化水素鎖の部分の水素の一部、または全部がハロゲンに置換された酢酸。典型的にはクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸。)、ハロアセトニトリル類、ハロアルデヒド類、クロロフェノール類などがある。以上に含まれない化合物としては、例えば、抱水クロラールや、ホルムアルデヒドなども発生することが知られている。 これらは、水中に存在していた様々な有機物に塩素が直接付加したり、酸化反応が起きたり、元々水中に溶存していた臭素が消毒のために注入された塩素によって不安定化された結果として有機化合物に臭素が直接付加したり、臭素が水素と置換するなど、様々な化学反応によって生成する。以上のように、様々な化合物が非意図的に発生する中、特に塩素消毒された水道水から比較的高濃度に検出されたことで社会問題となったのがトリハロメタンである。特にトリハロメタンに発がん性が確認されてからは世界的に問題視されるようになった。なお、分子構造中に臭素を持つ、ブロモジクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルムが塩素消毒に伴って非意図的に発生する量は、水の中にどれだけの濃度の臭素イオンが存在していたかによって大きく異なることが知られている。 ただし、世界保健機関(WHO)は、「これらの副生成物による健康へのリスクは、不十分な消毒によるリスクと比較して非常に小さい」と述べている。
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