唯物論的歴史観(唯物史観、史的弁証法)
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「マルクス主義」の記事における「唯物論的歴史観(唯物史観、史的弁証法)」の解説
詳細は「唯物史観」を参照 「歴史主義」および「民衆史」も参照 マルクスはヘーゲル左派として出発し、1840年代に起こったヘーゲル左派の内部論争の過程で、ヘーゲルの弁証法哲学やフォイエルバッハの唯物論を受け継ぎつつ、ヘーゲルの観念論やフォイエルバッハの不徹底さを批判し、唯物論的歴史観(唯物史観)を形成した。これは、法律や国家、文化などの基礎にあるのは経済(生産と流通)だとする見方であり、以後彼は経済学の研究に集中することになった。1859年発行の『経済学批判』の序文において、彼は唯物論的歴史観を次のように説明した。 生産力の発展段階に対応する生産関係の総体が社会の土台である。 この土台の上に法律的・政治的上部構造が立つ。土台が上部構造を制約する。 生産力が発展すると、ある段階で古い生産関係は発展の桎梏(しっこく)に変わる。そのとき社会革命の時期が始まり、上部構造が変革される。 生産関係の歴史的段階にはアジア的、古代的、封建的、近代ブルジョワ的生産関係がある。 近代ブルジョワ的生産関係は最後の敵対的生産関係である。発展する生産力は敵対を解決する諸条件をつくりだす。それゆえ、資本主義社会をもって人間社会の前史は終わる。 以上が唯物史観の要約である。
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