原子反跳とは? わかりやすく解説

原子反跳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 15:08 UTC 版)

微細構造定数」の記事における「原子反跳」の解説

光子吸収した原子は原子反跳を起こす原子 X の原子質量ma(X) とすると、運動量 ħk の光子吸収反跳する反跳速度vr = ħk/ma(X) となる。反跳速度測定からプランク定数 h と原子質量 ma(X) の比 h/ma(X)求めることができる。この比 h/ma(X)微細構造定数と α 2 = 2 R ∞ c A r ( X ) A r ( e ) h m a ( X ) {\displaystyle \alpha ^{2}={\frac {2R_{\infty }}{c}}{\frac {A_{\text{r}}(X)}{A_{\text{r}}({\text{e}})}}{\frac {h}{m_{\text{a}}(X)}}} の関係式成り立つ。ここで R∞ はリュードベリ定数Ar(X), Ar(e)それぞれ原子 X と電子相対原子質量である。リュードベリ定数については相対標準不確かさが 6×1012精度で、電子相対質量については 3×1011 という高い精度で値が得られている。さらにいくつかの原子については相対原子質量が数 1010精度で値が得られているため、比 h/ma(X)測定から微細構造定数を得ることができる。 例えば、2002年スタンフォード大学研究グループによる133Csの原子反跳測定から h m a ( 133 Cs ) = 3.002   369   432 ( 46 ) × 10 − 9   m 2 / s [ 1.5 × 10 − 8 ] {\displaystyle {\frac {h}{m_{\text{a}}({}^{133}{\text{Cs}})}}=3.002~369~432(46)\times 10^{-9}\ {\text{m}}^{2}/{\text{s}}\quad [1.5\times 10^{-8}]} という値が得られており、ここから微細構造定数の値が α − 1 ( 133 Cs ) = 137.036   0000 ( 11 ) [ 7.7 × 10 − 9 ] {\displaystyle \alpha ^{-1}({}^{133}{\text{Cs}})=137.036~0000(11)\quad [7.7\times 10^{-9}]} と得られている。また、2011年のカストレル・ブロッセル研究所英語版)の研究グループによる87Rbの原子反跳測定では h m a ( 87 Rb ) = 4.591   359   2729 ( 57 ) × 10 − 9   m 2 / s [ 1.2 × 10 − 9 ] {\displaystyle {\frac {h}{m_{\text{a}}({}^{87}{\text{Rb}})}}=4.591~359~2729(57)\times 10^{-9}\ {\text{m}}^{2}/{\text{s}}\quad [1.2\times 10^{-9}]} という結果得られており、ここから微細構造定数の値が α − 1 ( 87 Rb ) = 137.035   398   996 ( 85 ) [ 6.2 × 1010 ] {\displaystyle \alpha ^{-1}({}^{87}{\text{Rb}})=137.035~398~996(85)\quad [6.2\times 10^{-10}]} と得られている。

※この「原子反跳」の解説は、「微細構造定数」の解説の一部です。
「原子反跳」を含む「微細構造定数」の記事については、「微細構造定数」の概要を参照ください。

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