北陸送電幹線
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祖山発電所の着工と同じ1927年4月、昭和電力は北陸から関西地方へと至る長距離送電線「北陸送電幹線」の建設に着手した。富山県上新川郡大沢野村笹津(現・富山市笹津)の笹津変電所を起点とし、石川県・福井県・滋賀県琵琶湖西岸・京都府を経由して大阪府中河内郡志紀村(現・八尾市志紀)の八尾変電所へと至る、亘長309.7キロメートル、送電電圧154キロボルトの送電線である。 祖山発電所の完成に先立つ1929年6月、北陸送電幹線は起終点の変電所とともに竣工し、直ちに八尾変電所において親会社大同電力への電力供給を開始した。当初供給した電力は、同じ大同電力系列の神岡水電が神通川水系に持つ発電所から発電所渡しにて購入した約3万キロワットで、翌年に祖山発電所が完成すると同所の発生電力もあわせて輸送し供給するようになった。また1930年(昭和5年)9月、八尾変電所の構内に大同電力の八尾変電所が設置され、大阪第二送電線の終点として木曽川の発電所からの電力も扱う拠点となった。 1933年(昭和8年)7月、北陸送電幹線の途中、福井県吉田郡松岡町(現・永平寺町)の松岡開閉所の構内に大同電力の松岡変電所が設置された。元々福井県には旧日本水力が建設した大同電力西勝原発電所(出力7,200キロワット)があり、地元の工場や電力会社への電力供給を行っていたが、孤立した電力系統であり需要増加に対処できなくなっていた。このことから大同電力では松岡変電所を設置し、北陸送電幹線の電力を送電することで福井県内への供給力を増強した。
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